Vol.93 企画展「生物多様性と松本」を終えて」(R6.9 文責:内川)
先日、9月2日(月)をもちまして、企画展「生物多様性と松本―すぐとなりにあるワンダーランド―」が会期終了となりました。
松本市立博物館本館では長らく行われていなかった自然史系の展示ということで、チャレンジングな企画ではありましたが、内外からも好評をいただき、無事に終えることができました。特に、夏休み期間中ということもあり、多くの親子連れの方々が来館し、展示を楽しまれていったと伺っています。
企画展自体は終了してしまいましたが、展示で紹介したとおり松本市周辺にはさまざまな生きものたちが暮していて、その姿を観察することができます。
特に「白樺峠のタカの渡り」は今まさにシーズン真っ最中。サシバやハチクマといった普段はあまり見かけない猛禽類たちを観察できます。
松本市の自然については、アルプス公園内にある分館・山と自然博物館でも常設で展示しています。公園自体も自然豊かな環境で、特にこれから冬に向けて野鳥の観察シーズンがやってきます。
少し時間はかかってしまいますが、また本館での自然に関する展示も鋭意企画してまいります。
最後に、展示にご協力いただいた皆さまに、この場を借りてあらためてお礼申し上げます。
Vol.92 学校連携について ( R6.8.9 文責:本間 )
松本市立博物館では、地域の学校と連携した講義・講座を実施しています。ここでは、今年私が担当させていただいた事業を紹介します。
1 並柳小学校 社会科地域学習
並柳小学校3年2組の皆さんは、社会科地域学習の一環で「並柳小学校周辺の土地利用」について調べています。博物館に「並柳小学校周辺の土地の歴史について教えてほしい」というご依頼をいただきました。当日は江戸時代など昔の地図を見ながら、並柳の歴史を学びました。
小学生の皆さんから、「並柳に古墳がたくさんあるのを初めて知った。」「並柳の歴史を知れて良かった。」などの感想をいただきました。博物館資料を活用しながら、若い世代の皆さんと歴史を学べる機会となりました。
2 松本市立博物館 松本筑摩高等学校連携「文学連続講座」
松本市立博物館・松本筑摩高等学校連携事業として、「文学連続講座」を開催しました。松本高等学校(旧制)出身作家や作品をメインに、全3回の講座を実施しました。各講座の内容を紹介します。
(1) 講演会「郷土作家が書く松本」
第1回目の講座では講演会を行いました。「郷土作家が書く松本」というテーマで、「松本高等学校の紹介」や「松本高校出身作家が自身の作品で描く松本の様子」などを中心にお話しました。
松本筑摩高等学校の学生さんからは「松本高等学校はエリートのイメージがあった。しかし、学生に破天荒な一面があって驚いた。」という感想をいただきました。
また第1回目の講座のみ一般公開しました。学生の皆様や地域の皆様に、松本の文学や歴史をお伝えできる機会になったと思います。
(2) 北杜夫資料紹介
2回目の講座では、松本高等学校出身作家・北杜夫の資料紹介を行いました。北杜夫の人物像を紹介した後に、生徒の皆さんに資料現物を触っていただきました。
生徒の皆さんより、「資料に使用した痕跡が残っており面白い。」「資料から人となりが分かる。」などの感想をいただきました。生徒さんならではの感性豊かな視点で資料をご覧いただき、意見を伺うことで、私自身も勉強になりました。
(3) あがたの森散策
3回目の講座では「あがたの森散策」を実施しました。あがたの森は松本高等学校の敷地だった場所です。国指定の重要文化財である校舎・講堂が現存しています。今回は敷地内や、校舎・講堂内を巡りました。当時の写真と今の様子を見比べながら散策しました。
学生の皆さんが、校舎・講堂の内装など細部まで興味を持って見てくれていました。現地を巡りながら一緒に歴史を学ぶことができたと思います。
松本筑摩高校の皆さんとの連携講座は、今年秋にも実施予定です。今後も若い世代の皆さんに博物館や資料・文化財に触れていただく機会を作り、未来に繋げていきたいと思っています。
Vol.091 滝廉太郎「荒城の月」の編曲(R6.7.18 文責:竹藤)
今年度より新規採用となりました、竹藤(たけふじ)と申します。事業担当の一員として、本コラムの執筆をさせていただくことになりました。
学芸員の資格を持たない私ですが、大学・前職と文化芸術に携わってきましたので、今回は特に専門としている音楽(作編曲)についてお話ししたいと思います。
ちょうど最近まで、滝廉太郎《荒城の月》の編曲に取り組んでいました。音楽の教科書でもおなじみの楽曲ですが、今回は独唱から混声3部合唱(ソプラノ・アルト・男声+ピアノ)への編曲です。
楽譜が完成するまでの過程を、順を追って見ていきましょう。
まずは、編曲の方向性を確認しておきます。特に、原曲のイメージを崩すことなく、楽器編成や演奏形態のみを書き換える「トランスクリプション」なのか、編曲者の自由な発想のもと、原曲の要素を用いながら再構成していく「アレンジメント」なのかという点は重要です。
今回は後者ですが、次のようなオーダーをいただいていました。
ひとつは、男声の音域に制限があること。低い音域を出すことが難しい合唱団ということでした。また、1番は原曲のまま進行し、2番以降(4番まであります)の雰囲気を変えてほしいというご要望もありました。
内容からすると、難解な楽譜をどんどん読んでいくというよりは、比較的やさしい曲を楽しんで歌おうという合唱団と推察されます。普段からお付き合いのある団体というわけではないため、もちろん推測の域を出ませんが、少なくとも歌のパートについてはシンプルにしようと考えました。
検討の末、ピアノ伴奏に別楽曲の要素を混ぜることで、変化をつけていくアレンジとしました。具体的には《荒城の月》ということで、安易ながら「月」にまつわる楽曲をいくつか選びました。
1番については、リクエスト通り原曲の雰囲気が残っていますが、同じく滝廉太郎の名曲「花」の伴奏形を用いています。
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2番に登場するのは、C.ドビュッシー《月の光》です。
原曲は9/8拍子で、4/4拍子からはやや遠い拍感ではありますが、6連符主体のリズムへ変化することでアレンジが効いてきました。和声を《荒城の月》に合わせて変更したり、拍子の合わないところは素材を挿入したりと、断片的・複合的に使用しました。
同様の音型は後奏にも登場し、楽曲をしめくくります。
また、3番にはジャズ・スタンダードである《フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン》を引用しました。これは嬉しい誤算だったのですが、原曲のコード進行をほぼ変えることなくミックスさせることができました(《荒城の月》の旋律が《フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン》の和音に偶然合っていた)。
最後に、全体のバランスを整えます。
各回が異なるアレンジになることで、展開が唐突になってしまったり、うまく流れずまとまりのない印象になってしまったり…という危険が出てきます。それらをゆるやかにつなげるブリッジとして、間奏にはL.v.ベートーヴェン《ピアノソナタ第14番》(月光)の第3楽章の一部を用いました。クラシックからジャズへの連結を違和感なく、しかも拍感を元に戻さなければならないというところで苦心しましたが、同曲がカデンツァ(終止部の直前に入る技巧的な独奏)のような役割を果たしてくれました。
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編曲は作曲と違い、もとになる原曲があります。0から1を生み出す作業とは趣が異なりますが、やはり多くのことを考えながら進めていく大変さがあります。
今回は自己紹介も兼ねて、普段の音楽活動の一部をご紹介いたしました。身の回りに「作曲をやっている」という方はなかなかいらっしゃらないと思いますが、こうした作品の裏側の部分について、少しでも知っていただくことができれば幸いです。
まだまだ未熟ではございますが、これから自身の強みも活かしながら、博物館事業に貢献できればと思います。今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
※今回の編曲には、原則としてパブリックドメインの楽曲を使用しているほか、著作権関連の許諾が必要な場合については依頼主に一任しております。
講演会 「松本市のアリとくらす虫たち・その魅力と現状」
企画展「生物多様性と松本ーすぐとなりにあるワンダーランドー」関連イベント
講演会「松本市のアリとくらす虫たち・その魅力と現状」
話題の昆虫学者・小松貴氏による講演会。実際に松本市内で見つけた、アリと暮らす多様で奇妙な昆虫たちについてお話していただきます。
日時 7月20日(土)午後1時30分~午後3時
会場 松本市立博物館 講堂
定員 80名(要申込み)
料金 無料
申込み LoGo フォーム(下記 URL)より7月17日(水)までにお申込みください。
https://logoform.jp/form/N7tm/622342
※申込み多数の場合は抽選となります。
抽選となった場合の可否は18日(木)までにメールにてお知らせします。
企画展「生物多様性と松本ーすぐとなりにあるワンダーランドー」
会 期
2024(令和 6) 年 7 月 6 日(土)~ 9 月 2 日(月)
閉室日:毎週火曜日、ただし8月13日火曜日は臨時開室日となります。
会 場
松本市立博物館 2階特別展示室
開館時間
9:00 ~ 17:00(最終入室は16:30まで)
観覧料
大人 800円 (600円)
大学生・市内在住の70歳以上の方 600円 (500円)
高校生以下 無料
※( )内は団体20名以上の料金
※本展観覧券で3階常設展示室もご覧いただけます。
展覧会概要
世界にはさまざまな姿形をした生きものたちがいます。彼らは互いに食べたり、利用した
り、競合したりと影響しあいながら生活しています。このような生きもの同士の違いと、そ
のつながりを「生物多様性」といい、私たち人間はそこからさまざまな恵みを得て暮らして
います。しかし、近代以降の人間の活動により、生物多様性は急速に失われ始めました。
私たちの暮らす日本は、世界でも有数の生物多様性の高い地域「ホットスポット」です。
そして松本市とその周辺は、高山から平地まで広がる多様な環境にさまざまな生きものが
生息していることから、全国的に見ても生物多様性が高い地域、「ホットスポット」の中の
「ホットスポット」と言えます。「松本市の宝」ともいえる生物多様性を紹介する企画展示
です。
第1章 生物多様性とは
多様性(diversity)という言葉のとおり、生きものたちの姿形や性質など多種多様です。
そんな多様性がどう形作られるのかと、生物多様性を考えるうえで重要な 3 つの視点を、
国内外のさまざまな生きものを通じて紹介します。
写真家・山口大志氏による南米・アマゾンの生きものの写真作品も展示しています。
第2章 生物多様性の恵み
私たち人間は、日ごろから生きものやその生態系からさまざまな恵みを受けて生活しています。
「生態系サービス」と呼ばれるその恩恵を松本市に関係のあるものなどから紹介します。
第3章 生きものあふれる松本
松本市には具体的にどのような生態系と生きものが息づいているのでしょうか?
市内で特徴的で観察しやすい自然がある場所と、そこに暮らす生きものを紹介します。
第4章 変わりゆく環境
私たち人間の手で急速に失われつつある生物多様性。そんな変わりゆく松本市の環境・生
きものたちを紹介します。
第5章 未来に向けて
人間の営みの中で複雑に関わり合う生物多様性。では生物多様性を守るために我々がで
きることとは、どんなことでしょうか?
企画展関連イベント
講演会 1「松本市のアリとくらす虫たち・その魅力と現状」
講師 小松貴氏(昆虫学者)
日時 7月 20 日(土)午後1時 30 分~3 時
会場 松本市立博物館 講堂
定員 80名(要申込み)
料金 無料
申込み LoGo フォーム(下記 URL)より7月17日(水)までにお申込みください。
https://logoform.jp/form/N7tm/622342
※申込み多数の場合は抽選となります。
抽選となった場合の可否は18日(木)までにメールにてお知らせします。
講演会 2「生物多様性研究最前線」
講師 東城幸治氏(信州大学副学長・理学部教授)
日時 8月 17 日(土)午後1時 30 分~3 時
会場 松本市立博物館 講堂
定員 80名(要申込み)
料金 無料
申込み LoGo フォーム(下記 URL)より8月9日(金)までにお申込みください。
https://logoform.jp/form/N7tm/622406
※申込み多数の場合は抽選となります。
抽選となった場合の可否は13日(火)までにメールにてお知らせします。
自然観察会1「国蝶オオムラサキを見よう!~アルプス公園・蝶の観察会~」
日時 7 月 13 日(土)午前 8 時 30 分~10 時 30 分
集合 アルプス公園・森の入口広場
定員 15 名(要申込み)
料金 無料
申込み LoGo フォーム(下記 URL)より7月10 日(水)までにお申込みください。
https://logoform.jp/form/N7tm/622437
※申込み多数の場合は抽選となります。
抽選となった場合の可否は11日(木)までにメールにてお知らせします。
自然観察会2「空飛ぶ宝石を探そう!~8月はハチの観察会~」
日時 8月3日(土)午前9時~10 時 30 分
集合 アルプス公園・森の入口広場
定員 15 名(要申込み)
料金 無料
申込み LoGo フォーム(下記 URL)より7月 26 日(金)までにお申込みください。
https://logoform.jp/form/N7tm/622555
※申込み多数の場合は抽選となります。
抽選となった場合の可否は 30 日(火)までにメールにてお知らせします。
ギャラリートーク
日時 ①7 月 27 日(土)午後2時~3時 ②8 月 10 日(土)午後2時~3時
料金 本展観覧料
申込み 不要
お問い合わせ
松本市立博物館
TEL 0263-32-0133
FAX 0263-32-8974
10月開催『和食展』関連事業 「和食の記憶大募集!!」応募要項
あなたの、これまでの人生で忘れられない和食と、それにまつわるエピソードを教えてください。その驚きや感動、思い出を博物館の展示として共有します。
テーマ
「これまでの人生で忘れられない和食と、それにまつわるエピソードを教えてください。」
内容
忘れられない和食の名前と、なぜそれが忘れられないか、その理由となる体験や思い出、エピソードを記してください。
❖ 和菓子、郷土料理、懐石料理、すし、てんぷら、そばなどだけではなく、オムライスやナポリタン、カレー、焼き餃子、ラーメンといった日本生まれ・日本で独自に発展した洋食・中華も対象です ❖
応募要項
⑴ 日本語での作品に限らせていただきます。
⑵ 文章、絵どちらでも結構です。文章、絵とも様式は自由です。
⑶ 作品には、氏名、連絡先を明記してください。
※ 文章の場合は、本文の前か後に記載してください。
※ 絵の場合は、用紙の裏面など、作品にかからない場所に記載してください。
⑷ 文章の場合は200字程度としてください。
⑸ 絵の場合は、和食の名前と忘れられない理由を文章で補足してください。
対象
どなたでも
応募期間
令和6年7月6日(土)~7月31日(水)
作品の公開について
応募いただいた作品は、令和6年10月5日(土)から12月8日(日)まで開催する松本市立博物館特別展「和食展」の展示に使用します。
応募多数の場合は抽選により数点を展示し、その他は付属資料として来館者に配布します。
注意点等
応募にあたっては、以下の事項を予めご了承ください。
※ 日本語での応募、自作・未発表の作品に限ります。
※ 応募多数の場合の抽選結果は、「和食展」での展示をもって代えさせていただきます。
電話やメールでの抽選結果のご質問にはお答えできませんので、ご了承ください。
※ 応募に関する個人情報は、応募作品に関する連絡以外には使用しません。
※ 応募いただいた作品は返却できませんので、ご注意ください。
※ 展示・配布にあたってはイニシャルのみの記載とし、匿名で公開します。
※ 氏名、連絡先の明記が無いものは、展示・配布の対象外とします。
※ 盗作、二重投稿は固くお断りします。
※ 応募作品の使用に関する権利は松本市立博物館に帰属します。併せて、松本市立博物館の「和食展」以外の展示やインターネット上で使用したり、その他媒体で使用する場合があることをご了承いただきます。
※ 特定商品や店舗の宣伝、営利目的の応募、政治的なメッセージ、その他公序良俗に反する内容など、博物館の展示趣旨にそぐわない作品は展示および配布の対象外とします。
応募方法
松本市立博物館へFAX、メール、郵送もしくは持参により提出してください。
送付先
松本市立博物館
〒390-0874松本市大手3-2-21
電話:0263-37-1150
FAX:0263-32-8974
E-mail:mcmuse@city.matsumoto.lg.jp
Vol.090 収蔵資料の紹介「風也焼」( R6.6.25 文責:石井 )
「風也(ふうや)」とは水崎佐次兵衛という武士の号です。風也は犬甘城址(いぬかいじょうし)に花守として常住していた武士でした。
天保13年(1842年)に松本城主戸田光庸(みつつね)が領民から幕府領御預100年の祝賀を受け、その報謝として翌年犬甘城址に桜や楓を植樹して領民に開放しました。これが現在の城山公園(じょうやまこうえん・松本市特別名勝)の起源です。
『東筑摩郡 松本市・塩尻市誌』によると、花守となった風也は城山に窯を構え、楽焼をはじめました。茶器、七輪、コンロ、釣灯籠、壺などを作り、好評を博したそうです。住居、窯は転々としながら2代3代と続き、作った恵比寿や大黒などは飴市の際のこどもの売物にもなったそうですが、4代風也で途絶えました。
当館収蔵の風也焼のうち、松本民芸館創設者の丸山太郎氏寄贈資料を紹介します。
福禄寿とだるまです。だるまは前後と上面に葉を押し付けた跡があります。福禄寿は高さが22.5㎝あります。
郡誌にも記載のある焜炉(こんろ)です。持ち運び可能な小さな炉です。中が段になっていて、つけ外し可能な素焼きの網状のものが付属しています。網状のものの上に炭を置いて使用したようです。
朱色の釉薬が鮮やかな植木鉢です。裏面の刻書は、箱書きによると「一葉庵風也作」と読むようです。
Vol.089 大人もアソビバ! ( R6.6.12 文責:髙木 )
昨年10月7日にオープンしてから、5月までの8か月間で、アソビバ!の利用人数は18,000人を超えました。お子さんとその保護者の方々のたくさんの笑顔に支えられていることを思うと感慨深いものがあります。今日は、その笑顔の中から、撮影許可をいただいたお子さんの様子を紹介したいと思います。
写真をとっていて特に感じたのは、お母さんはもちろんお父さんたちの子どもを見守る目のやさしさです。お父さんとお子さんという組み合わせがとても多く感じます。子どもだけでなく、大人にとっても居心地の良い場所を目指していますので、大人のためのアソビバ!でもあると思ってもらえると嬉しいです。
入室時にお配りするリーフレットはスタンプカードにもなっていて、古荘風穂さん原画のスタンプが10個用意されています。1回利用ごとにスタンプを押してもらい10個の枠が全部うまったら、ささやかなプレゼントがあります。親子で笑顔になるように、ぜひ、何度でも足を運んでください。
Vol.088 展示ガイドをご利用ください ( R6.5.25 文責:會田 )
皆さんは博物館施設などで展示ガイドを利用した経験はありますか?
端末を利用して展示資料の写真を表示したり、イヤフォンで音声キャプションを聴いたり、変わり種になると展示をイメージした音楽が流れてきたり・・・各館様々な特徴がありますが、今回は当館の展示ガイドについてご紹介いたします。
ポケット学芸員を利用した展示ガイド
当館の常設展示室ではミュージアム展示ガイドアプリ「ポケット学芸員」で展示ガイドをご覧いただけます。ご自身のスマホにアプリをダウンロードした後、画面に従って展示室内にあるガイド番号を入力することで、いつでも気軽にお手元で展示ガイドをご覧いただけます。(音声なし、要ネット接続)
市民ガイドによる展示案内
昨年度の市民ガイド養成講座を修了した皆さんが、新しい博物館のオープンとともに市民ガイドとしてスタートし、連日精力的に活動しております。
「常設展示室は2回目の訪問」、「もっと違う視点で松本の歴史を知りたい」、「展示について質問したい」と思われたお客様は、ぜひ市民ガイドによる展示案内を体験してみてください。
彼らの深い知識と巧みな話術で、まるで一つの物語を聞いているかのように松本の歴史や文化、はたまた「アレ」や「コレ」を楽しく知ることができます。
市民ガイドはいうならば、「松本の物語の語り手」、ストーリーテラーです。話しに耳を傾け、時には対話することで、展示室という場で「ゆるく」つながる体験をして頂けます。
お客様の知識を深め、見どころ情報を集めて松本観光の出発点としてみてはいかがでしょうか。
展示ガイドの楽しみ方は千差万別、お客様のスタイルに合わせて楽しんでいただけるよう工夫しております。ぜひ皆様のご利用をお待ちしております!
5月に「市民ガイドによる常設展示ガイドツアー」が行われ、各日ともに大勢のお客様にご参加いただきました。その様子をお伝えします。
入口の大きな年表が物語の入口です。
メイン展示の一つ、城下町ジオラマをガイド中
展示ガイドの楽しみ方は千差万別、お客様のスタイルに合わせて楽しんでいただけるよう工夫しております。ぜひ皆様のご利用をお待ちしております!
Vol.087 「甲冑着付け体験」を実施しました ( R6.5.16 文責:吉澤 )
松本市立博物館では「甲冑着付け体験」を令和6年4月27日(土)~29日(月・祝)、5月3日(金・祝)~6日(月・祝)の7日間にわたり実施しました。
こちらは現在開催中の「収蔵品展 戸田家臣団―松本藩最後の武士団―」にあわせて企画した関連イベントです。
昨年1月に赤廣三郎氏よりご寄贈いただいた手作りの甲冑レプリカを使い、本格的な着用方法で当時の武士になりきっていただきました。
本物と見間違えてしまうほど精巧に作られたレプリカの甲冑たち。素材は鉄の代わりに軽いプラスチックを使用しているため、お子様でもご着用いただけます!
松本藩主・戸田家の甲冑は常設展にて、戸田家臣・松崎家の甲冑は企画展にてそれぞれ展示中の資料をモデルに制作していただきました。
過去のコラムでは甲冑レプリカ贈呈式の様子をご紹介しておりますので、是非こちらもあわせてご覧ください。
イベントを盛り上げる小道具や事前準備も手を抜きません!
より多くの方に戸田家臣たちの世界を楽しんでもらえるよう、企画展の展示資料を模した軍扇や、展示資料『御家閑集』に記された松本藩戸田家の旗や法被(はっぴ)なども再現してみました。
職員も会場設営のほか、事前に着用手順を確認しあい、万全の準備を整えます。
当日はゴールデンウィークということもあり、たくさんのご家族、国内外からの観光客の方々にお越しいただき、500人を超える参加者の皆様にお楽しみいただけました。
参加者の中には、「ずしっとした重みがあるけれど、気持ちが引き締まる感じがします。」という感想をくださった方もいらっしゃいました。
幕末に甲冑揃えをおこなったという戸田家臣たちも、鎧に身を包みながら、この先起こる戦闘に向け気合を入れていたのかもしれません…。
イベントを通して、当時の武士たちや展示資料の甲冑にも親しみを持っていただけたら幸いです。
今回のイベントで活躍した甲冑や小道具の実物も展示されている「収蔵品展 戸田家臣団―松本藩最後の武士団―」は令和6年6月17日(月)まで開催中です。新館開館後初の収蔵品展。150年以上にわたって松本藩を支え続けた戸田家臣団の軌跡とともに、当館自慢の資料をぜひご覧ください!