窪田空穂記念館冬季文化講座「冬日ざし」のご案内

概要

 P1091905+冬季文化講座「冬日ざし」は窪田空穂の歌集『冬日ざし』から名前をとった講座です。
 記念館、空穂生家のある和田地区は空穂の生まれた当時は農家が数多くあり、2月の冬場は農閑期と呼ばれ農家にとっては繁忙期の疲れを休めたり、副業をしたりと少し時間の取れる時期でした。
 冬季文化講座「冬日ざし」ではそれにならい、この時期に空穂生家に集まり、ゆったりとした学びの時間をお過ごしいただければと思います。参加費無料となっておりますので、是非足をお運び下さい。

詳細

期 日

演題・演目

講 師

1月31日(土)

古典落語 『締め込み』ほか

創作落語 『よし吉自叙伝~思い違いのああ勘 

      違いの巻~』

あおぼし亭 よし吉 さん

   アマチュア落語家

   シンガーソングライター

2月21日(土)

『齋藤 瀏とその周辺-文書から垣間見る

           歌人将軍の一側面-』

木曽 寿紀 さん

   松本市文書館専門員

時 間  午後1時30分~3時

会 場  窪田空穂生家(記念館向かい)

定 員  30人

受講料  無料

共 催  和田公民館

冬季文化講座チラシ

申込み  電話・FAX・Eメール等で窪田空穂記念館まで

     TEL:0263-48-3440 FAX:0263-48-4287

     E-mail:utsubo@city.matsumoto.lg.jp羽ペン

窪田空穂記念館 令和7年度第1回運営委員会を開催します

窪田空穂記念館 令和7年度第1回運営委員会を開催します。
傍聴を希望される場合は、開始時間の10分前までに会場へお越しください。

1 日時
  令和7年5月15日(木) 午後1時30分から

2 会場
  窪田空穂記念館 会議室

3 公開・非公開の別
  公開

4 傍聴者数
  3人

5 傍聴のときに守っていただくこと
 ⑴ 委員席には入らないでください。
 ⑵ 委員の発言に対し、声を出したり拍手等しないでください。
 ⑶ 会話などしないでください。
 ⑷ 帽子、外套、えり巻などは着用しないでください。
 ⑸ ものを食べたり、たばこを吸ったりしないでください。
 ⑹ 写真撮影及び動画撮影などはしないでください。
 ⑺ 携帯電話を持ち込む場合は、音の出ないようにしてください。

6 その他
  傍聴希望者が多数の場合は、抽選を行います。

□問い合わせ

 窪田空穂記念館羽ペン
 電話:0263-48-3440
 FAX:0263-48-4287
 e-mail:utsubo@city.matsumoto.lg.jp

令和6年度第1回運営委員会を開催します

窪田空穂記念館 令和6年度第1回運営委員会を開催します。
傍聴を希望される場合は、開始時間の10分前までに会場へお越しください。

1 日時
  令和6年5月16日(木) 午後1時30分から

2 会場
  窪田空穂記念館 会議室

3 公開・非公開の別
  公開

4 傍聴者数
  3人

5 傍聴のときに守っていただくこと
 ⑴ 委員席には入らないでください。
 ⑵ 委員の発言に対し、声を出したり拍手等しないでください。
 ⑶ 会話などしないでください。
 ⑷ 帽子、外套、えり巻などは着用しないでください。
 ⑸ ものを食べたり、たばこを吸ったりしないでください。
 ⑹ 写真撮影及び動画撮影などはしないでください。
 ⑺ 携帯電話を持ち込む場合は、音の出ないようにしてください。

6 その他
  傍聴希望者が多数の場合は、抽選を行います。

□問い合わせ

 窪田空穂記念館羽ペン
 電話:0263-48-3440
 FAX:0263-48-4287
 e-mail:utsubo@city.matsumoto.lg.jp

窪田空穂記念館運営委員会を開催します。

窪田空穂記念館 令和5年度第1回運営委員会を開催します。
傍聴を希望される場合は、開始時間の10分前までに会場へお越しください。

1 日時
  令和5年5月18日(木) 午後1時30分から

2 会場
  窪田空穂記念館 会議室

3 公開・非公開の別
  公開

4 傍聴者数
  3人

5 傍聴のときに守っていただくこと
 ⑴ 委員席には入らないでください。
 ⑵ 委員の発言に対し、声を出したり拍手等しないでください。
 ⑶ 会話などしないでください。
 ⑷ 帽子、外套、えり巻などは着用しないでください。
 ⑸ ものを食べたり、たばこを吸ったりしないでください。
 ⑹ 写真撮影及び動画撮影などはしないでください。
 ⑺ 携帯電話を持ち込む場合は、音の出ないようにしてください。

6 その他
  傍聴希望者が多数の場合は、抽選を行います。

□問い合わせ

 窪田空穂記念館羽ペン
 電話:0263-48-3440
 FAX:0263-48-4287
 e-mail:utsubo@city.matsumoto.lg.jp

空穂の短歌 ~窪田空穂の歌の魅力をご紹介します~

〔空穂の短歌〕

 

父母のその身分てる我なりと年に一日の今日は思はむ
(ちちははの そのみわかてる われなりと としにひとひの きょうはおもはむ)

                                    歌集『さざれ水』所収

 空穂書斎 『さざれ水』は空穂の第12歌集で、「誕辰に」と題した4首連作の第3首、6月8日満56歳を迎えた日の作です。
 親たちへの感謝が詠まれています。空穂は父42歳、母40歳の時に、生まれた末子で、兄1人、姉2人があり、兄は21歳でこの年結婚をし、家督を継いでいました。当時としては老いての子で、両親は思いがけない子を得たのです。
 親たちが「その身分てる我」であるのだと思うとき、この身は絶対的に大切なものとなり、尊く思われ、生きていることへの感謝の情が確かめられます。
 「年に一日の今日」である誕生日には、改めてわれみずからに確かめる思いをいだいたのでしょう。人生のどのような苦悩にも堪えて生きる力の根源となったもので、親たちは神というべき存在であったのです。
 この尊敬する父と、自分のすべてを受け入れてくれた母のもとに、望まれて生まれてきたのだという確信は、空穂の生涯を貫き、自分自身の命を愛で、自分の人生を大切に思う姿勢となっていきます。
 父から与えられた厳しい人生的教訓、母から受けた深い愛は、人間空穂を形成し、生涯を決定したのです。
 4月は希望あふれるスタートの月、新年度の始まりです。私たちも両親から、またその父母から連綿と大切な命を受け継いでいます。今、生きていることに感謝し、恩返しを、次の世代に恩送りをしていきましょう。

今月の短歌 ~窪田空穂の歌の魅力をご紹介します~

〔3月の短歌〕

    泰山木つぼみ日を経て花となり思ひ遂ぐればたちまち衰ふ

                                   第22歌集『去年の雪』所収03-098-001

 『泰山木(タイサンボク)』と題された一首です。      
 空穂の家の敷地には狭い庭があり、泰山木が1本よく育っていて、初夏のころ大きい花をさかせて、空穂の眼を楽しませていました。 
 蕾がたくましく、冬の頃から時間をかけて育つのが特色ですが、花が咲いている時間はとても短く、純白の大きい花は開花すると直ぐ黄ばみ、脆くも落ちてしまいます。
 「思い遂ぐれば」という言葉遣いは、その情景をとらえた空穂らしさを感じる事ができる4句だと思います。
 初夏の泰山木の花を、冬からの時の流れの上に浮かべて詠み生かす爽やかさと、あわれさとを味わう一首です。              

歌集「去年の雪」は昭和42年1月、空穂が亡くなる数ヵ月前に創刊されました。
 老いの歌、植物の歌、死生観や宗教心が滲み出た歌が多く掲載されています。
 歌人 故 篠弘 氏は「空穂は、目の当たりにする植物や動物を素材としながらも、そこからも対象のもつ
生命力に迫り、華やいだいのちを抽きだしていた。みずからが生きていくエネルギーとして惹起し、勁く
生きたいとする心境をうながしたところに、この空穂の存在理由があろう。」と述べています。

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 雑司ヶ谷(現 目白台)の旧窪田空穂邸の庭に生息していた木々の
メモが残されていましたのでご覧ください。
 お庭や玄関には、たくさんの木々やお花で囲まれていたことが
わかります。
 今月の短歌で紹介しました、泰山木も植えられていたことが記
されています。
 空穂は晩年、上記の写真のように、家の縁側に腰を下ろし、四
季折々変わりゆく庭の景色を眺め、ゆったりとした時間を過ごし
たのではないでしょうか。

 

 

 

 

今月の短歌 ~窪田空穂の歌の魅力をご紹介します~

〔2月の短歌〕

01-30+

恥らへるさまにわれ見て駈けゆきし、

          童の君の狭き緋の帯。

 (はじらえる さまにわれみて かけゆきし、

       わらべのきみの せまきひのおび)

             歌集『空穂歌集』所収 

 空穂が30代中盤に詠んだ歌で、後に「少年の日」と題が付けられました。
 昔、小学生だった空穂と女子児童が偶然道で出会った時の様子です。恥ずかしそうに走り去る女子児童の後ろ姿に、緋色の帯が小さく揺れています。そしてそれを見送る少年空穂の幼い恋心を感じさせます。スケッチのように情景が浮かび、30年近く前の出来事という印象を与えません。
 このように空穂は、不意に過去を詠むことがありました。
 『我が文学体験』の中で、空穂はこんなことを言っています。
 「(作歌の際、集中していると)平常は全く忘れてしまっていることが卒然とよみがえって来ることがある。我ながら、何だってこんなことを思い出したのだろうと感じ、慌てて歌材に取り上げるのである」
 それは普通は歌にしない些細なことでも、何でも歌にした空穂らしい姿勢ではないでしょうか。また、歌にすることによってその体験が自身にとって何だったのか、記憶を反芻して整理をつけているようにも感じられます。空穂は、歌を詠むための集中は禅を組んでいる時に似ているとも言っています。
 「歌を詠んだあとはたのしい。気分がさっぱりして、何よりも好い保養をしたような気がする。歌の出来が良かった悪かったということは、その時には何のかかわりもないことなのである」  『我が文学体験』より。

今月の短歌 ~窪田空穂の歌の魅力をご紹介します~

〔1月の短歌〕

わが地球地軸かたむけ来たる時年をあらため事あらたにす

 (わがちきゅう ちじくかたむけ きたるとき としをあらため ことあらたにす)

                              歌集『老槻の下』所収 

地球

『老槻の下』は空穂の第20歌集で、昭和32年の空穂79歳の作品「正月」と題した巻頭歌の第1首です。
 正月を迎えるのを厳粛な心で詠んだ歌で、地球上に生命を受け継いでいる人類の立場で正月を受けとめています。
 地軸は、地球が自転する回転軸で、南北両極を結ぶ軸であり、地球の公転する軌道面に対して、約23.5度傾斜しています。
 その回転のため、地球上の温帯に位置する日本には、太陽との位置、距離から春夏秋冬の季節の現象が生じていることになります。暦の上での新年は日本では最も寒い冬です。この知識を頭において、正月を宇宙の不変の現象として把握しています。天体中の無数の星の1つである地球に住むわれわれは、暦の上での新年を「年を改め事新たにす」としています。
 この歌はきびしく又よろこびをもって正月を迎える心の把握ですが、スケールが大きく、個人的な心を超えています。「わが地球」と「わが」を添えている親愛感の表現も見落とせません。正月を詠んだ稀有の作品というべき一首です。
 私たちはこの地球で、大自然の恵みを受け、父母や祖父母、またその父母から連綿と命を受け継いでいます。一人ひとりの命が大切にされる社会、核兵器のない世界、世界の恒久平和の実現を願ってやみません。今年一年、「わが地球」が、平和な良い年でありますように。

今月の短歌 ~窪田空穂の歌の魅力をご紹介します~

〔12月の短歌〕

     冬空をあふぎし我が眼移し見れば

              妻もあふげりその冬空を

                                   第6歌集『泉のほとり』所収

     晴れわたる静かな冬空を仰いでいた眼を、ふと傍らの妻に移すと
                      妻もまた同じように冬空を仰いでいた空穂と藤野

 空穂と妻(藤野)とに通いあう深い心に触れています。                  
 晴れわたる冬空を仰いでいた空穂が、その眼を傍らの妻に移すと妻も
また同じように冬空を仰いでいるという情景。
 夫の味わう今の気持ちはそのまま妻の気持ちであるのに気づいた心と
いっていいでしょう。
 無言のうちに通いあう心、冬空のもとに生かされている自分自身に、
互いに思い入るしみじみとしたものであり、信じあう夫婦の心境が思わ
せられる歌です。この短歌は

「巷にと出て行く自分を、妻は子を連れて送って来、暫くを護国寺の側の草原で遊んだ」という詞書のある3首の中の1首です。                        この短歌の前後には                                                                           

・ ここにとて子を坐らす冬の日のさし来て光る枯芝の上に
・ われ呼びて追ひ来し妻はかがまりて裾より取りつ草の枯葉を

という短歌があり、空穂が藤野をとても愛おしく思う様子がうかがえます。                「巷へと出ていく」とありますが、空穂が読売新聞社へ出勤するときの模様のようです。妻(藤野)は2人の幼い子ども(長男・章一郎 長女・ふみ)を連れて途中まで見送る日があり、護国寺のそばの草原で暫くの時間を空穂と一緒に遊んだ様子がうかがえます。                                  この時、妻(藤野)は次女を身ごもっており、2人の結婚生活はまずしくても、豊かで愛情あふれるようであったことがわかります。                                       しかし、この短歌から数ヵ月後、苦楽を共にしてきた愛妻藤野が亡くなってしまします。             それを思うと、考え深い3首といえるでしょう。

 

今月の短歌 ~窪田空穂の歌の魅力をご紹介します~

〔11月の短歌〕

寒き夜のふけゆくなべにわが机照らす灯かげのいや明らなり

(さむきよの ふけゆくなべに わがつくえ てらすほかげの いやあからなり)

                              歌集『青水沫』所収 

 大正9年、空穂43歳の頃に詠まれた歌です。一日の終わり、書斎での様子が詠われています。
 当時の空穂は早稲田大学文学部の講師になったばかりで、何かと身辺が忙しい時期でした。書物を読み終えたのか、ペンを置いたのか、やるべきことを終えて眠らなくてはならないと思う時、机の上を照らす電燈の光がそれまでは気づかなかったように明るく感じられたことが詠まれています。机に向かって集中していた緊張から解放された時の快さ、眠ることが惜しまれるような様子です。

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空穂を推薦した坪内逍遥(左端)と空穂(前列右端)

 空穂が早稲田大学へ就任したのは、それまで行ってきた古典研究が評価されてのことでしたが、当初アカデミックなキャリアに興味のなかった空穂は講師を不適任で辞すべきだと考えていました。しかし空穂の受け持つ国文科が創設間もなく人材不足であったり、また多くの大学の国文科が外国語学科の付録的な存在だった実情を見て、引き受けるに至りました。
 定年となる70歳まで、空穂の長い早稲田生活の始まりでした。

 

「老学徒の心を持って、学生と一緒に勉強しよう、そして、繋ぎの役を果たそう」

              『我が文学体験』より