考古博物館ニュース⑦ 「古墳を見学しよう」

 松本市内では多くの古墳が発見されています。そのほとんどが破壊されその姿を残していません。しかし、国や県の史跡に登録され、価値の高い古墳については復元保存や整備をし、その姿を残しているものもあります。今回は、そんな復元されている古墳を紹介いたします。秋が深くなってきたこの季節、天気の良い日に巡ってみてください。

弘法山古墳(国史跡)

 昭和49年に発掘調査が行われ、長野県のみならず東日本最古級の前方後方墳ということが判明しました。古墳は全長約66mで、築造は3世紀末~4世紀中葉頃と推定されますが、埋葬者については判明していません。出土遺物は長野県宝に指定されており、考古博物館にて展示中です。
 墳頂からの眺望もよく、北アルプス連峰や松本市内を見渡すことができます。また、春には桜、秋には紅葉を楽しめます。
住所:松本市並柳2丁目1000番
駐車場あり(現在、発掘調査が行われており駐車スペースが縮小されています。)

弘法山遠景

弘法山遠景

針塚古墳(長野県史跡)

 松本市里山辺の水田と果樹園に囲まれた中にあります。
 松本市内唯一の積石塚古墳で、墳丘は直径約20m、高さ約2mで5世紀後半に築造された円墳です。
 発掘調査によって松本地域にとって重要な古墳であることがわかり、地元をはじめとした市民から現地保存してほしいと要望があり、保存整備が行われました。
住所:松本市里山辺3172
※教育文化センターの近くですが、教育文化センター側の道は細いので、テレビ松本の面する道路から目指すのがおすすめです。
駐車場あり

針塚古墳

針塚古墳

秋葉原古墳第1号墳(松本市特別史跡)

 アルピコ交通上高地線新村駅の近く線路沿線に移築復元されました。直径12mほどで8世紀初頭~前半の築造とされるます。
 秋葉原古墳について詳しくは過去のコラム記事をご覧ください。 → 松本市内遺跡紹介① 「新村地区の古墳」
住所:松本市新村1963-1
駐車場なし(車を寄せるスペースが若干有)

秋葉原古墳第1号墳

秋葉原古墳第1号墳

中山15号古墳(松本市特別史跡)

 中山霊園内にある古墳で、中山古墳群の一つです。7世紀後半の築造とされます。
 中山古墳群について詳しくは過去のコラムをご覧ください。 → 松本市内遺跡紹介② 「中山霊園の古墳」
住所:松本市中山(中山霊園内)
駐車場あり

中山15号古墳

中山15号古墳

 

※冬の季節は古墳や山城散策のベストシーズンです。(虫たちが活動を控えるようになり、草木の葉が落ちることで山の斜面等の見渡しもよくなるためです。)
※散策の際は交通マナーにお気をつけてください。また、私有地への侵入はおやめください。

 

コラムクイズ

松本市内には多くの古墳が見つかっていますが、現在発見されている古墳は約何基あるでしょう?

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