馬場家の風景 カタオカザクラ
今、馬場家住宅西側の門庭で1本の桜が満開を迎えています。「カタオカザクラ」という名前のこの桜は、松本城などで見られる「ソメイヨシノ」とは異なり「カスミザクラ」という桜の一種です。名前の「カタオカ」は、かつて馬場家住宅も含まれていた旧片丘村の山中で発見された事に由来します。
多くの桜は10年程度経たないと花を咲かせませんが、カタオカザクラは高さ数十センチの若木でも2~3年で花を咲かせるという性質があります。また、大きくても4~5m程度にしか育たないという性質を持っています。そのほかに開花時期がソメイヨシノに比べ遅い、花の柄に短い毛が生える、花をつけている部分から葉が生えるといった特徴があります。
カタオカザクラは、元東京大学理学部付属植物園日光分園主任の久保田秀夫氏に発見され、昭和27年にカスミザクラの新品種として認められました。原生地の山火事により一時は姿を消したものの、久保田氏が残していた木から接ぎ木苗が作られ、松本市内では馬場家住宅や内田地域づくりセンターなどで見ることができます。
門前では新緑の屋敷林を背景にした薄紅色のカタオカザクラが見事に咲いています。ご来館の際には、若葉の候の桜もお楽しみ下さい。
重要文化財馬場家住宅 4月の事業一部中止について
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、年間行事予定に載っております下記の事業を中止いたします。
・4月25日 お茶席の会
楽しみにされていた皆様には大変申し訳ございません。
なにとぞ、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
月遅れのひな祭りを祝いました
暖かな日が続き、山ふところの馬場家周辺も例年より一足早く春の花々が咲いています。
馬場家住宅では、4月4日まで開催された「押絵雛展-古民家で楽しむひな祭り」に合わせ、4月3日に甘酒のふるまいを行い、大勢の方々にご来館いただきました。当日は天候にも恵まれ、前庭に設けたベンチでは満開の桜と前田の菜の花が楽しめました。
甘酒のふるまいを行った4月3日は月遅れのひな祭りでした。
ひな祭りは一般的に3月3日ですが、松本周辺では月遅れの4月3日に行う家が見られます。
明治6年(1873)にそれまで使われていた暦(太陰太陽暦=旧暦)から現在使われている暦(太陽歴=新暦)へ切り替えられました。旧暦と新暦では、月の始まりや一か月の日数などに違いがあり、新暦の日付は旧暦の日付より20日~50日程度先に進みます。地域によって使いなれた旧暦が新暦導入後も長く残り、戦後まで旧暦に基づいた生活を行う家庭もあったようです。こうした中で、新暦を使いながら旧暦の季節感と近い日付で年中行事を行うよう一か月遅れの風習ができたと考えられます。松本周辺では、ひな祭りだけでなく、七夕やお盆なども月遅れで行われています。
今年の4月3日は桃の花も咲き、「桃の節句」にふさわしい風景が見られました。
当日ご来館いただいた皆様、まことにありがとうございました。
馬場家の風景 馬場家の前田
主屋の中に寒さを残しながらも、前庭の梅は咲きそろい、坪庭の冬囲いを取り外すなど、山ふところの馬場家住宅にも本格的な春の訪れを感じられる頃になりました。
馬場家住宅の西側には、前田(まえだ)と呼ばれる畑があります。地元の農業者さんの手により、毎年トウモロコシや菜っ葉を栽培しており、夏や秋には収穫で賑わいます。また、春のこの時期には菜の花が咲き、訪れた方々の目を楽しませています。
この前田、実は重要文化財の指定範囲に含まれています。
平成8年(1996)12月に馬場家住宅は重要文化財に指定されました。その際、屋敷内の建造物だけでなく、屋敷の景観と周囲の環境がよく保存されていることが高く評価されています。馬場家から見える景色や周辺の状況も当時の暮らしぶりをしのぶ資料であり、建造物と一体となって価値を作るものとして前田を含めた屋敷地が重要文化財の指定範囲になりました。
馬場家住宅の前田からは、松本平の眺望や日本アルプスの山並みが楽しめます。菜の花畑もこれから見ごろを迎えますので、是非お出かけください。
馬場家の風景 馬場家住宅の梅
少しずつ春の温かさが感じられるようになり、馬場家住宅の西側にある門庭では梅の花が顔を見せ始めました。
門庭の梅は、スモモやクルミなどともに戦後の食糧難やその後の果樹流行の際に植えられたものだと言われています。今では紅白の花々が来る人の目を楽しませています。
ところで、馬場家では門庭の他にもう1カ所梅の花を見られる場所があります。畳が敷かれた廊下「イリカワ」です。イリカワには杉戸があり、そこに大きく白梅の絵が描かれています。馬場家住宅は藩主や役人の来訪を想定した造りになっており、接客空間であるイリカワにも随所におもてなしの工夫が見られます。杉戸の絵はその一つで、反対側には松の絵も描かれています。普段は通路のため隠れていますが、ご覧いただけますので、興味のある方は職員までお声がけください。
当館では、3月2日から押絵雛展「古民家で楽しむひな祭り」を開催しています。
門庭の梅もこれからが見頃ですので、馬場家住宅に春を感じにいらしてください。
「内田のおんべ祭り見学会」中止のお知らせ
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため御柱行事が中止となったことに伴い、1月14日(木)に開催を予定しておりました「内田のおんべ祭り見学会」を中止いたします。
参加を希望された皆様には大変申し訳ございません。ご理解賜りますようお願い申し上げます。
馬場家の風景 年の瀬の装い
令和2年も残すところわずかになりました。
馬場家住宅では、12月22日から24日にかけて冬の風物詩の雪吊りや正月の飾り付けを行いました。この時期にしか見られない装いをご覧ください。年内は27日(日)まで開館しております。
新型コロナの影響により、休館や事業の変更を余儀なくされた一年でしたが、来館された皆様をはじめ、多くの方々に支えていただいた年になりました。誠にありがとうございました。
どうぞ良い年をお迎えください。
馬場家の風景 雪の馬場家
昨晩の降雪により、馬場家もすっかり雪化粧をし、
寒さとともに本格的な冬の訪れが感じられます。
馬場家住宅の冬の一幕をお楽しみください。
馬場家の風景 秋の馬場家
立冬を過ぎ、暦ではもう冬ですが、馬場家の紅葉は今が見頃です。
坪庭や敷地内が秋の装いで目を楽しませてくれます。
古民家で季節を感じてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、屋敷は西を正面に向けて建っています。表門や主家正面の写真撮影は午後がおすすめですよ。
今年度のはた織り体験教室は終了しました。
7月から10月まで各月1回実施しましたはた折体験教室は、10月24日の第4回目をもってすべて終了しました。
当初、5月から10月までの全6回としていた本教室は、新型コロナ対策のため5月と6月の実施を中止し、全4回の実施となりましたが、各回満員の申し込みをいただきました。今年は幅広い世代にご参加いただき、大人だけでなく小学生の姿も見られました。
イベント実施に中止・変更を余儀なくされた本年度ですが、古民家の中で昔ながらのはた織りを熱心に行う皆さんの姿が見られたこと、大変うれしく思っています。
ご参加いただいた皆様、まことにありがとうございました。
講座の様子