発掘された松本2022③ 「松本城三の丸跡土居尻第14次調査」

 前回(発掘された松本2022② 「史跡松本城南外堀第5次調査」)に続き、発掘された松本2022の調査結果を紹介していきます。今回は松本城三の丸跡土居尻第14次調査です。

松本城三の丸跡土居尻第14次調査

 土居尻は、松本城三の丸のうち史跡松本城跡の南側、大名町の西側の一帯で、江戸時代には松本藩の武家屋敷地のうち中級家臣の屋敷地として利用されてきた場所です。
 昨年度から継続して実施されている第14次調査。今年度は昨年度の東側を調査しました。この調査地は、幕末には木村家・西郷家両家の屋敷として、古絵図にも記載のある箇所です。

南外堀の調査地

南外堀の調査地

 木蓋を伴う木組み水路が確認されました。正確な用途は不明ですが、現在の道路と直交していること、近世の陶磁器片・木製品などが出土していること、大きな掘り込みであることなどから、木村家・西郷家の屋敷境、あるいは大名小路と土居尻町の町境といった可能性が考えられました。しかしその位置は江戸時代の各絵図とは異なるため、描かれなかった屋敷境があったのかもしれません。

木組み水路

木組み水路