発掘された松本2021③ 「松本城外堀跡南外堀第4次調査」
前回(発掘された松本2021② 「松本城跡本丸跡第4次」)に続き、発掘された松本2021の調査結果を紹介していきます。今回は松本城外堀跡南外堀第4次調査です。
松本城外堀跡南外堀第4次調査
松本城南・西外堀整備事業に伴い、これまでわかっていなかった二の丸側の南外堀範囲や構造を確認するために発掘調査を実施しました。
松本城を構成する外堀の明確な成立時期は不明ですが、おそらく築城期に整備されたものと考えられます。明治時代になり、松本城の政庁・軍事的拠点としての役目を終える中で、外堀の一部が大正8年から昭和初年にかけて埋め立てられ、宅地化しました。

絵図で見る南外堀
3カ所で行った調査のうち、2カ所において、北端部で杭列を確認しました。これまでの総堀跡での発掘例から、堀の縁辺付近に設置した護岸用や防御用の杭と考えられます。その出土位置から、江戸時代の絵図や文献と外堀の位置がほぼ一致することがわかりました。また、明治時代以降に積まれたと考えられる石列も見つかり、堀が埋まる前の様子もわかりました。
今回の調査では、多量の瓦も出土しています。これらは廃棄された瓦のようで、杭列を覆うようにして見つかりました。鬼瓦の一部と考えられる特殊な瓦や家紋の入った瓦も含まれていることから近くにあった南隅櫓に葺かれていた瓦の可能性があります。

杭列・石組出土状況
コラムクイズ
松本城南外堀はどのくらいの幅があったでしょう。
3つの中から選択してください