常設展展示紹介⑮ 「古代の開発2」

須恵器の伝来

 古墳時代に朝鮮半島経由で日本へ伝来した須恵器(すえき)は、当初、有力者の高級品として作られました。奈良時代には日本の各地で生産が始まり、須恵器は官衙(かんが)などへ供給される器となりました。さらに、各地のムラでも日常の器として使用されるようになっていきます。

須恵器 横瓶(宮の前遺跡)

須恵器 横瓶(宮の前遺跡)

※須恵器 … 古墳時代の後半から平安時代にかけて盛んにつくられた土器。ロクロの技術を用いて作られ、窯をつかって高温(1000℃以上)で焼成します。灰色・灰黒色で硬い器で、たたくと金属音に近い音がします。
 
※官衙 … 古代の役所や官庁のことです。

松本平の須恵器生産

 須恵器の生産は地方へも広がり、松本平でも古墳時代の終わり頃には生産が始まったようです。奈良時代の終わり(8世紀後半)から、岡田地区などの山間部では本格的な生産が始まり、松本平の各ムラへ製品を供給しました。
 須恵器の生産には専門の職人と大量の燃料が必要でした。有力者や国府など経済力がある大きな組織が経営を行っていたと考えられます。

須恵器生産の様子(想像図)

須恵器生産の様子(想像図)

 

コラムクイズ

須恵器は窯を使って高温で焼かれます。次のやきものの種類の中で焼く温度が一番高いのはどれでしょう。

3つの中から選択してください