企画展「松本押絵雛による端午の節句展」を開催します

 R03 端午の節句展ポスター

 馬場家住宅では、令和3年5月1日から企画展「松本押絵雛による端午の節句展」を開催します。

 押絵雛は江戸時代から明治時代にかけて松本で盛んにつくられた人形です。厚紙に書き写した人物などの絵を部分ごとに切り抜き、それぞれに綿を挟んで布で包み込んだのち、絵の形に張り合わせた人形で、絵でありながら立体感のある造詣が特徴です。「雛」の文字から、雛人形=ひな祭りの印象を受けますが、押絵雛は端午の節句や祭り、祝い事の際にも飾られたようです。松本の押絵雛は内裏雛だけでなく様々な題材を基にした人形が見られます。
 本展では、月遅れの端午の節句に合わせ、武将や伝説の偉人達の姿をかたどったものを中心に押絵雛を展示します。子供の健やかな成長を願い贈られたであろう押絵雛たちの姿をご覧ください。

 また、会期中は敷地内にこいのぼりを飾るほか、竹馬やけん玉など昔ながらの遊びもお楽しみいただけます。展示と合わせ、江戸時代創建の古民家で端午の節句をお過ごしください。

会期

令和3年5月1日(土)~6月6日(日)

休 館 日:5月6日(木)、10日、17日、24日、31日(月)

開館時間:午前9時から午後5時(入館は午後4時30分まで)

会場

重要文化財馬場家住宅 主屋

観覧料

通常観覧料 
 大人(高校生以上)310円
 大人団体(20名以上)200円
 小人(中学生以下)無料

期間中のイベント

・無料公開
 5月1日(土)は、松本市政施行記念日に合わせて当館を無料公開いたします。この機会にぜひご来館ください。

・朗読の会
 朗読インストラクターによる朗読会を開催します。端午の節句にちなんだお話などをお楽しみください。
 日 時 5月30日(日)午前10時~11時
 場 所 重要文化財馬場家住宅主屋
 語り手   小松志づ子氏(朗読インストラクター)
 定 員 20名
 参加費 通常観覧料のみ
 申 込 5月8日(土)午前9時から電話受付

重要文化財馬場家住宅 4月の事業一部中止について

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、年間行事予定に載っております下記の事業を中止いたします。

 

・4月25日 お茶席の会

 

 楽しみにされていた皆様には大変申し訳ございません。

 なにとぞ、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

月遅れのひな祭りを祝いました

暖かな日が続き、山ふところの馬場家周辺も例年より一足早く春の花々が咲いています。

馬場家住宅では、4月4日まで開催された「押絵雛展-古民家で楽しむひな祭り」に合わせ、4月3日に甘酒のふるまいを行い、大勢の方々にご来館いただきました。当日は天候にも恵まれ、前庭に設けたベンチでは満開の桜と前田の菜の花が楽しめました。

甘酒のふるまいを行った4月3日は月遅れのひな祭りでした。
ひな祭りは一般的に3月3日ですが、松本周辺では月遅れの4月3日に行う家が見られます。

明治6年(1873)にそれまで使われていた暦(太陰太陽暦=旧暦)から現在使われている暦(太陽歴=新暦)へ切り替えられました。旧暦と新暦では、月の始まりや一か月の日数などに違いがあり、新暦の日付は旧暦の日付より20日~50日程度先に進みます。地域によって使いなれた旧暦が新暦導入後も長く残り、戦後まで旧暦に基づいた生活を行う家庭もあったようです。こうした中で、新暦を使いながら旧暦の季節感と近い日付で年中行事を行うよう一か月遅れの風習ができたと考えられます。松本周辺では、ひな祭りだけでなく、七夕やお盆なども月遅れで行われています。

今年の4月3日は桃の花も咲き、「桃の節句」にふさわしい風景が見られました。
当日ご来館いただいた皆様、まことにありがとうございました。

 

馬場家住宅表門の桜。門の向こうには菜の花畑が見えます。

馬場家住宅表門の桜。門の向こうには菜の花畑が見えます。(撮影:令和3年4月3日)

前田の菜の花畑からみた馬場家住宅(撮影:令和3年4月3日)

前田の菜の花畑からみた馬場家住宅(撮影:令和3年4月3日)

ボケ(木瓜)の花も見頃です(撮影:令和3年4月3日)

ボケ(木瓜)の花も見頃です(撮影:令和3年4月3日)

 

馬場家の風景 馬場家の前田

 主屋の中に寒さを残しながらも、前庭の梅は咲きそろい、坪庭の冬囲いを取り外すなど、山ふところの馬場家住宅にも本格的な春の訪れを感じられる頃になりました。

 馬場家住宅の西側には、前田(まえだ)と呼ばれる畑があります。地元の農業者さんの手により、毎年トウモロコシや菜っ葉を栽培しており、夏や秋には収穫で賑わいます。また、春のこの時期には菜の花が咲き、訪れた方々の目を楽しませています。

 この前田、実は重要文化財の指定範囲に含まれています。
 平成8年(1996)12月に馬場家住宅は重要文化財に指定されました。その際、屋敷内の建造物だけでなく、屋敷の景観と周囲の環境がよく保存されていることが高く評価されています。馬場家から見える景色や周辺の状況も当時の暮らしぶりをしのぶ資料であり、建造物と一体となって価値を作るものとして前田を含めた屋敷地が重要文化財の指定範囲になりました。

 馬場家住宅の前田からは、松本平の眺望や日本アルプスの山並みが楽しめます。菜の花畑もこれから見ごろを迎えますので、是非お出かけください。

前田からの眺望(撮影:令和3年3月23日)

前田からの眺望(撮影:令和3年3月23日)

 

前田の菜の花。奥に見える鳥居は馬場家の祝殿(撮影:令和3年3月23日)

前田の菜の花。奥に見える鳥居は馬場家の祝殿(撮影:令和3年3月23日)

昨年

昨年の様子(撮影:令和2年4月14日)

 

馬場家の風景 馬場家住宅の梅

 少しずつ春の温かさが感じられるようになり、馬場家住宅の西側にある門庭では梅の花が顔を見せ始めました。

 門庭の梅は、スモモやクルミなどともに戦後の食糧難やその後の果樹流行の際に植えられたものだと言われています。今では紅白の花々が来る人の目を楽しませています。

 ところで、馬場家では門庭の他にもう1カ所梅の花を見られる場所があります。畳が敷かれた廊下「イリカワ」です。イリカワには杉戸があり、そこに大きく白梅の絵が描かれています。馬場家住宅は藩主や役人の来訪を想定した造りになっており、接客空間であるイリカワにも随所におもてなしの工夫が見られます。杉戸の絵はその一つで、反対側には松の絵も描かれています。普段は通路のため隠れていますが、ご覧いただけますので、興味のある方は職員までお声がけください。

 当館では、3月2日から押絵雛展「古民家で楽しむひな祭り」を開催しています。
 門庭の梅もこれからが見頃ですので、馬場家住宅に春を感じにいらしてください。

 

表門と門庭の梅

表門と門庭の梅

表門のシャチホコの梅の花

表門のシャチホコの梅の花

門庭の梅

写真には白梅だけ見えますが、紅い梅も咲いています

イリカワの杉戸

イリカワの杉戸

  

杉戸の白梅

杉戸の白梅

 

(終了しました)企画展「押絵雛展-古民家で楽しむひな祭り」を開催します

押絵雛展ポスター

 

 

 

 馬場家住宅では、松本市はかり資料館との連携企画「松本の春、見つけた!2021」として、松本押絵雛によるひな祭り展示を行います。

 松本地方では、江戸時代から明治時代にかけて押絵雛と呼ぶ雛人形が盛んに作られました。特産品として市内外に出荷されたほか、当時はひな祭りに押絵雛のお雛様を飾ったといいます。明治後半以降、押絵雛の生産は衰退しましたが、昭和40年代頃から復元を試みる人たちが現れ、現在では再び松本の民芸品として親しまれています。

 本展では、古今の押絵雛など、約90点を展示します。また、昭和から平成に撮影されたひな祭りの写真を基に家庭での飾りつけの再現を試みています。幕末に建てられた本棟造りの馬場家住宅で、押絵雛に彩られたひな祭りをお楽しみください。

会期

 令和3年3月2日(火)~4月4日(日)

 休 館 日 月曜日(月曜日が休日の場合は翌日)

 開館時間 午前9時から午後5時(入館は午後4時30分まで)

会場

 重要文化財馬場家住宅

観覧料

 大人310円 (中学生以下及び松本市在住の70才以上の方無料)

期間中のイベント

・無料公開
 松本市立博物館ほかを会場に催される「第2回博物館まつり」にあわせ、3月21日(日)は当館を無料公開します。この機会にご来館ください。

・甘酒サービス
 月遅れのひな祭りに合わせて、来館された方に甘酒を振るまいます。展示と合わせてお楽しみください。 

 日時 4月3日(土) 午前9時30分から(甘酒がなくなり次第終了)
 料金 通常観覧料

 月遅れのひな祭りを祝いました!
 詳細はこちら

連携展

 押絵雛展「町家で楽しむひな祭り」
 松本市の中町通りにある土蔵作りの博物館「松本市はかり資料館」でも、押絵雛展を開催します。

 会期 令和3年3月2日(火)から4月4日(日)
 会場 松本市はかり資料館 松本市中央3-4-21
 松本市はかり資料館に関する詳細は、こちらをご覧ください。

令和3年1月松本平の御柱④ 穂高塚原巾上の御柱

 道祖神の祭りといわれ、毎年1月に行われる松本平の御柱祭り。
 馬場家住宅では、今年行われた御柱の様子を紹介しています。

 最終回になる第4回目は、常念岳など松本平の西山を背景にした姿が印象的な安曇野市穂高塚原巾上の御柱です。

安曇野市穂高塚原巾上の御柱(1月14日撮影)

 県道25号線の烏川橋に近い塚原交差点から直線で300メートルほど南東へ進んだ田園の端に道祖神碑が建立されています。1月10日、塚原巾上の御柱はこの道祖神碑の脇に立てられました。御柱には、御幣や袋物、こぶりながらも三本の白幣と三個の巾着がついた福俵、おかめの面や丸扇が飾り付けられます。
 塚原巾上は松本平の西山麓に位置します。また、田園の端に立てられるため、周りには大きな建物もありません。御柱へ到着した時にはすでに日の入りを迎え逆光の中でしたが、御柱は西山の常念岳をバックに悠々とそびえ立ち、飾り柱の色彩がひときわ際立っているように見えました。

 

 

塚原巾上の御柱。近くには道祖神碑など4基の石碑が祀られている

塚原巾上の御柱。近くには道祖神碑など4基の石碑が祀られている

御柱全景

御柱全景

特徴的な飾りの丸扇とおかめ面

特徴的な飾りの丸扇とおかめ面

白幣と巾着が付いている福俵

白幣と巾着が付いている福俵

御柱の背景には常念岳が見事にたたずんでいる

御柱の背景には常念岳が見事にたたずんでいる

令和3年1月松本平の御柱③ 一日市場下町・中町・上町の御柱

 毎年1月に行われ、道祖神の祭りと言われている松本平の御柱行事。
 馬場家住宅では、今年立てられた御柱の様子をお届けしています。

 第3回目は安曇野市三郷一日市場下町・中町・上町の御柱をご紹介します。この3地区は場所も近く、共通点が多い御柱が立ちます

安曇野市三郷一日市場下町(1月14日撮影)

 県道315号線の一日市場(東)交差点を北に進むと、左手に旧長徳寺の観音堂が見えてきます。この観音堂の手前を西に入った観音堂裏手で下町の御柱は行われており、今年は1月11日に立てられました。
 柱の先には赤く塗られた円盤状の飾り「三日月」が付けられ、色紙で作られた「ヤナギバナ」や御幣が柱を彩っていました。また、下町の御柱で一番目を引いたのが「命の綱」と呼ばれる色紙を帯状にしてつないだ先に赤い瓢箪(ひょうたん)がついた飾りです。「命の綱」の切れ端をひろうと、長生きできるといわれています。

 

下町の御柱全景

下町の御柱全景

下町の柱飾り

下町の柱飾り。「命の綱」が風で揺れている

安曇野市三郷一日市場中町(1月14日撮影)

 一日市場(東)交差点を南へ90メートルほど行った西側に、道路に面して道祖神碑が建立されています。この道祖神碑脇に中町の御柱は立てられています。今年は1月10日に立てられました。 
 電線が通り、他と比べると丈を短くしている中町の御柱。「日月」という赤と白に塗り分けられた円盤状の飾りや、多くの御幣が付いており、華やかな姿を見ることができました。道路沿いにあるため、見つけやすい御柱です。御柱の際には、道祖神碑の両脇に「道祖神」と書かれた箱型の灯篭(とうろう)が飾られます。

 

一日市場中町の御柱全景

一日市場中町の御柱全景

 

柱の峰につけられた「日月」

柱の峰につけられた「日月」

 

安曇野市三郷一日市場上町(1月14日撮影)

 一日市場上町の御柱は、1月10日に立てられました。県道315号線の一日市場南交差点を西に進み、最初の角を南へ進んだ突き当りに柱立てが行われる道祖神碑があります。
 昭和23年から始まった上町の御柱には、「日月」や色とりどりの御幣、ヤナギバナなど中町・下町の飾りと共通点を持ちながら、福俵や地区内の家内安全を願う垂れ幕など独自の飾りがなされています。
 撮影日には、御幣が風になびき、さらさらという気持ち良い音をたてていました。

上町御柱全景

上町御柱全景

上町御柱の飾り

上町御柱の飾り

東から見た御柱

東から見た御柱

 

令和3年1月松本平の御柱② 豊科成相の御柱

  道祖神の祭りと言われ、毎年1月に行われている松本平の御柱行事。
 馬場家住宅で確認した今年の御柱について、その様子をお届けします。

 第2回目は繁華街近くに立てられた安曇野市豊科成相の御柱です。

安曇野市豊科成相(1月8日撮影)

 1月3日に立てられた成相の御柱は、国道147号線の成相交差点を東に200メートルほど進んだところにある成相コミュニティーセンターの一角に立てられました。例年は、10メートル程度の柱を立て、あめ市(初市)に合わせて倒し、柱の飾りである福俵を地区内で曳きまわすという華やかでにぎやかな行事です。
 今年の福俵曳きは中止でしたが、御柱の大きさを縮小するなど、感染症予防に配慮して柱立てが行われました。

成相の御柱全景

成相の御柱全景。例年にくらべ小ぶりに仕立てられている

成相の御柱飾り

御柱飾り。福俵のほかに多くの巾着袋や色紙でつくられた「柳花」が飾られている

成相の御柱飾り2

飾りに使われた御幣や袋は家々に持ち帰られ、厄除けのお守りになる

 

令和3年1月松本平の御柱① 一日市場東村の御柱

 道祖神の祭りと言われ、毎年1月に行われている松本平の御柱行事。
 令和3年の御柱行事は、新型コロナの影響により中止を余儀なくされたところもあり、例年通りに実施できなかった地区も見られました。

「松本平の御柱展」を開催中の馬場家住宅では、安曇野市内で立てられた6か所の御柱を確認してきましたので、その様子をお届けします。

 第1回目は飾りが特徴的な安曇野市三郷一日市場東村の御柱です。

安曇野市三郷一日市場東村(1月2日撮影)

 県道315号線と321号線が交わる一日市場(北)の交差点から東に進み、200メートルほどのところを南に入った道祖神碑脇で、東村の御柱は行われました。
 色紙で彩られた華やかな松本平の御柱。東村の御柱ではさらに男性を象徴する「おどうぐ」と、柱の峰に女性を象徴する「三日月」という他では見られない特徴的な飾りがついており、子孫繁栄を願っています。
 1月2日に現地へ伺うと、幸運にも柱を立てるところをから見学することができました。代表の男性が手振りとともに発する「ヨーイトマケ」の掛け声を頼りに、集まった男性たちが一斉に綱を引くと、柱はミシミシと音を立てながら立ち上がっていきました。
 力を合わせて立てられた御柱からは、一年の始まりにあたり、みんなで安寧を願おうとする先人たちから引き継がれてきた祈りの姿を見ることができました。

柱立て場の様子1

柱立て場の様子。写真中央の赤く塗られた大黒天と道祖神碑も印象的

柱立て場の様子2

同じく柱立て場の様子。柱は今年から新しいものが使われているとのこと

東村の御柱全景

御柱全景

東村の御柱の飾り

特徴的な飾り。柱の下部についているのが「おどうぐ」で、柱の峰についているのが「三日月」