令和3年1月松本平の御柱④ 穂高塚原巾上の御柱
道祖神の祭りといわれ、毎年1月に行われる松本平の御柱祭り。
馬場家住宅では、今年行われた御柱の様子を紹介しています。
最終回になる第4回目は、常念岳など松本平の西山を背景にした姿が印象的な安曇野市穂高塚原巾上の御柱です。
安曇野市穂高塚原巾上の御柱(1月14日撮影)
県道25号線の烏川橋に近い塚原交差点から直線で300メートルほど南東へ進んだ田園の端に道祖神碑が建立されています。1月10日、塚原巾上の御柱はこの道祖神碑の脇に立てられました。御柱には、御幣や袋物、こぶりながらも三本の白幣と三個の巾着がついた福俵、おかめの面や丸扇が飾り付けられます。
塚原巾上は松本平の西山麓に位置します。また、田園の端に立てられるため、周りには大きな建物もありません。御柱へ到着した時にはすでに日の入りを迎え逆光の中でしたが、御柱は西山の常念岳をバックに悠々とそびえ立ち、飾り柱の色彩がひときわ際立っているように見えました。

塚原巾上の御柱。近くには道祖神碑など4基の石碑が祀られている

御柱全景

特徴的な飾りの丸扇とおかめ面

白幣と巾着が付いている福俵

御柱の背景には常念岳が見事にたたずんでいる
令和3年1月松本平の御柱③ 一日市場下町・中町・上町の御柱
毎年1月に行われ、道祖神の祭りと言われている松本平の御柱行事。
馬場家住宅では、今年立てられた御柱の様子をお届けしています。
第3回目は安曇野市三郷一日市場下町・中町・上町の御柱をご紹介します。この3地区は場所も近く、共通点が多い御柱が立ちます。
安曇野市三郷一日市場下町(1月14日撮影)
県道315号線の一日市場(東)交差点を北に進むと、左手に旧長徳寺の観音堂が見えてきます。この観音堂の手前を西に入った観音堂裏手で下町の御柱は行われており、今年は1月11日に立てられました。
柱の先には赤く塗られた円盤状の飾り「三日月」が付けられ、色紙で作られた「ヤナギバナ」や御幣が柱を彩っていました。また、下町の御柱で一番目を引いたのが「命の綱」と呼ばれる色紙を帯状にしてつないだ先に赤い瓢箪(ひょうたん)がついた飾りです。「命の綱」の切れ端をひろうと、長生きできるといわれています。

下町の御柱全景

下町の柱飾り。「命の綱」が風で揺れている
安曇野市三郷一日市場中町(1月14日撮影)
一日市場(東)交差点を南へ90メートルほど行った西側に、道路に面して道祖神碑が建立されています。この道祖神碑脇に中町の御柱は立てられています。今年は1月10日に立てられました。
電線が通り、他と比べると丈を短くしている中町の御柱。「日月」という赤と白に塗り分けられた円盤状の飾りや、多くの御幣が付いており、華やかな姿を見ることができました。道路沿いにあるため、見つけやすい御柱です。御柱の際には、道祖神碑の両脇に「道祖神」と書かれた箱型の灯篭(とうろう)が飾られます。

一日市場中町の御柱全景

柱の峰につけられた「日月」
安曇野市三郷一日市場上町(1月14日撮影)
一日市場上町の御柱は、1月10日に立てられました。県道315号線の一日市場南交差点を西に進み、最初の角を南へ進んだ突き当りに柱立てが行われる道祖神碑があります。
昭和23年から始まった上町の御柱には、「日月」や色とりどりの御幣、ヤナギバナなど中町・下町の飾りと共通点を持ちながら、福俵や地区内の家内安全を願う垂れ幕など独自の飾りがなされています。
撮影日には、御幣が風になびき、さらさらという気持ち良い音をたてていました。

上町御柱全景

上町御柱の飾り

東から見た御柱
令和3年1月松本平の御柱② 豊科成相の御柱
道祖神の祭りと言われ、毎年1月に行われている松本平の御柱行事。
馬場家住宅で確認した今年の御柱について、その様子をお届けします。
第2回目は繁華街近くに立てられた安曇野市豊科成相の御柱です。
安曇野市豊科成相(1月8日撮影)
1月3日に立てられた成相の御柱は、国道147号線の成相交差点を東に200メートルほど進んだところにある成相コミュニティーセンターの一角に立てられました。例年は、10メートル程度の柱を立て、あめ市(初市)に合わせて倒し、柱の飾りである福俵を地区内で曳きまわすという華やかでにぎやかな行事です。
今年の福俵曳きは中止でしたが、御柱の大きさを縮小するなど、感染症予防に配慮して柱立てが行われました。

成相の御柱全景。例年にくらべ小ぶりに仕立てられている

御柱飾り。福俵のほかに多くの巾着袋や色紙でつくられた「柳花」が飾られている

飾りに使われた御幣や袋は家々に持ち帰られ、厄除けのお守りになる
令和3年1月松本平の御柱① 一日市場東村の御柱
道祖神の祭りと言われ、毎年1月に行われている松本平の御柱行事。
令和3年の御柱行事は、新型コロナの影響により中止を余儀なくされたところもあり、例年通りに実施できなかった地区も見られました。
「松本平の御柱展」を開催中の馬場家住宅では、安曇野市内で立てられた6か所の御柱を確認してきましたので、その様子をお届けします。
第1回目は飾りが特徴的な安曇野市三郷一日市場東村の御柱です。
安曇野市三郷一日市場東村(1月2日撮影)
県道315号線と321号線が交わる一日市場(北)の交差点から東に進み、200メートルほどのところを南に入った道祖神碑脇で、東村の御柱は行われました。
色紙で彩られた華やかな松本平の御柱。東村の御柱ではさらに男性を象徴する「おどうぐ」と、柱の峰に女性を象徴する「三日月」という他では見られない特徴的な飾りがついており、子孫繁栄を願っています。
1月2日に現地へ伺うと、幸運にも柱を立てるところをから見学することができました。代表の男性が手振りとともに発する「ヨーイトマケ」の掛け声を頼りに、集まった男性たちが一斉に綱を引くと、柱はミシミシと音を立てながら立ち上がっていきました。
力を合わせて立てられた御柱からは、一年の始まりにあたり、みんなで安寧を願おうとする先人たちから引き継がれてきた祈りの姿を見ることができました。

柱立て場の様子。写真中央の赤く塗られた大黒天と道祖神碑も印象的

同じく柱立て場の様子。柱は今年から新しいものが使われているとのこと

御柱全景

特徴的な飾り。柱の下部についているのが「おどうぐ」で、柱の峰についているのが「三日月」
「内田のおんべ祭り見学会」中止のお知らせ
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため御柱行事が中止となったことに伴い、1月14日(木)に開催を予定しておりました「内田のおんべ祭り見学会」を中止いたします。
参加を希望された皆様には大変申し訳ございません。ご理解賜りますようお願い申し上げます。
馬場家の風景 年の瀬の装い
令和2年も残すところわずかになりました。
馬場家住宅では、12月22日から24日にかけて冬の風物詩の雪吊りや正月の飾り付けを行いました。この時期にしか見られない装いをご覧ください。年内は27日(日)まで開館しております。
新型コロナの影響により、休館や事業の変更を余儀なくされた一年でしたが、来館された皆様をはじめ、多くの方々に支えていただいた年になりました。誠にありがとうございました。
どうぞ良い年をお迎えください。

表門の門松としめ縄

前庭の雪吊り

雪吊りと表門のシャチホコ。間には大滝山の姿が見える。

坪庭東側の雪吊り

坪庭南側の雪吊り

わらぼっちを被るつつじ
馬場家の風景 雪の馬場家
昨晩の降雪により、馬場家もすっかり雪化粧をし、
寒さとともに本格的な冬の訪れが感じられます。
馬場家住宅の冬の一幕をお楽しみください。
- 雪を被った表門
- 寒そうな表門のシャチホコ
- 雪の主屋
- 雀おどしと懸魚
- 雪を被った文庫蔵
- 主屋から眺めた雪の坪庭
- 雪の祝殿とオオケヤキ
企画展「松本平の御柱展」を開催します
馬場家住宅では、松本市内田地区などに道祖神の祭りとして伝わる行事「御柱」を紹介する企画展「松本平の御柱展」を開催します。
写真パネルや行事で実際に使われた飾り物「おんべ」などを展示し、祭りの様子を紹介します。また、関連事業として、馬場家住宅のある内田地区のおんべ祭りの見学会を行います。
1 会 期
令和2年12月5日(土)~令和3年2月7日(日)
休館日:月曜日(祝日の場合翌日)、年末年始(12月28日~1月4日)
2 会 場
馬場家住宅主屋
3 入 館 料
大人310円、中学生以下、松本市内の70歳以上の方は無料
4 関連事業
内田のおんべ祭り見学会
・日時
令和3年1月14日(木) 正午~午後4時
・場所
松本市内田地区(北花見・荒井・横山)、塩尻市片丘地区
・内容
北花見のおんべ祭りの見学と、周辺地域の御柱見学
・参加費
310円
・講師
当館職員
・定員
10名
申込みは電話で馬場家住宅まで
定員になり次第しめきります
・その他
全行程5キロ近く歩きます。
寒い時期ですので暖かい服装でお越しください。
新型コロナウイルス感染対策のため、内容を変更する場合がございます。
(令和3年1月6日追記)
見学会は中止いたします。詳細はこちらをご覧ください。
5 企画展の様子
6 令和3年1月の御柱
令和3年1月に立てられた御柱の様子を紹介しています。
馬場家の風景 秋の馬場家
立冬を過ぎ、暦ではもう冬ですが、馬場家の紅葉は今が見頃です。
坪庭や敷地内が秋の装いで目を楽しませてくれます。
古民家で季節を感じてみてはいかがでしょうか。

11/8 坪庭の紅葉。ようやく色づきました

主家からの坪庭の眺め

門長屋南側の桜

券売所も秋の装いです

馬場家祝殿遠景。手前の前田ではお菜が順調に育っています

祝殿近景。社の背後の木は松本市特別天然記念物の大ケヤキ
ちなみに、屋敷は西を正面に向けて建っています。表門や主家正面の写真撮影は午後がおすすめですよ。
今年度のはた織り体験教室は終了しました。
7月から10月まで各月1回実施しましたはた折体験教室は、10月24日の第4回目をもってすべて終了しました。
当初、5月から10月までの全6回としていた本教室は、新型コロナ対策のため5月と6月の実施を中止し、全4回の実施となりましたが、各回満員の申し込みをいただきました。今年は幅広い世代にご参加いただき、大人だけでなく小学生の姿も見られました。
イベント実施に中止・変更を余儀なくされた本年度ですが、古民家の中で昔ながらのはた織りを熱心に行う皆さんの姿が見られたこと、大変うれしく思っています。
ご参加いただいた皆様、まことにありがとうございました。
講座の様子

馬場家のはた織り機。全部で3台あります。

生地選び。裂き織りでは横糸に古布を使います。

横糸を通す道具、杼(ひ)の使い方を説明中。

はた織り中。トントン、と気持ちの良い音が響きます。

完成!素敵な作品ができました。