アルプス公園の自然:キクイタダキ

キクイタダキ キクイタダキ2

学名 Regulus regulus
スズメ目キクイタダキ科

 アルプス公園東駐車場から公園内へと渡る「アルプス森のかけ橋」は公園内でも絶好の野鳥観察スポットだ。谷あいに架かる橋の高さは30mあり、普段は見上げるしかない木の上の鳥たちを、同じ高さや見下ろす形で見る機会に恵まれることもある。
 そこで見かけたヒガラやエナガの群れの中に見慣れない鳥が混ざっていることに気づいた。キクイタダキだ。不思議な響きの名前だが、漢字で書くと「菊戴」で頭の上の黄色い羽、冠羽に由来する。この部分は縄張り争いや求愛の際に開き、その様子を菊の花になぞらえてつけられた名前のようだ。いつかはその様子も観察してみたい。

アルプス公園の自然:トラツグミ

 トラツグミ 尾羽で地面をたたくトラツグミ

学名 Zoothera dauma
スズメ目ヒタキ科

 先日の観察会で一瞬だけ姿を現したトラツグミを撮影した。場所は観察会で見かけたのと同じ「森の入口広場」東側の道の斜面で、踊るように体を揺らしたり尾羽を地面に叩きつけたりする様子が観察できた。どうやら振動でエサなるミミズなどの生き物を驚かせて、動いたところを捕らえるようだ。

「冬の野鳥観察会」を開催しました!

2月6日に「冬の野鳥観察会」を開催しました。参加された皆様、ありがとうございました!

観察された野鳥

ルリビタキ

ルリビタキ

ヌルデの実を食べるルリビタキ

ヌルデの実を食べるルリビタキ

ジョウビタキ

ジョウビタキ

ツグミ

ツグミ

シロハラ

シロハラ

シジュウカラ

シジュウカラ

コガラ

コガラ

ヤマガラ

ヤマガラ

ホオジロ

ホオジロ

カシラダカ

カシラダカ

メジロ

メジロ

コゲラ

コゲラ

レンジャクの群れ

レンジャクの群れ。ほとんどがヒレンジャクでしたが、左の2羽はキレンジャクのようです。

 

そのほか
ヒヨドリ・エナガ・トラツグミ・カワラヒワ・ベニマシコ・スズメ・カケス・ハシブトガラス・ハシボソガラス・アオゲラ・トビ
がいました。

観察会の様子

観察会の様子

博物館の前でレンジャクの群れを観察

観察会の様子2

さくらの森でコゲラを観察

 

アルプス公園の自然:ツルウメモドキ(ニシキギ科)

ツルウメモドキ場所:花の丘

 秋には赤系色の実がたくさん見かけられます。これは鳥に食べてもらいやすい色だからです。数ある赤い実の中、ツルウメモドキは実の付け根に黄色いものがあって見分けられます。元々黄色い果皮に包まれた状態で、それが熟すと3つに割れて鮮やかな赤橙色の仮種皮が現れるのです。花は5~6月、黄緑色であまり目立ちません。

アルプス公園の自然:ヌルデ(ウルシ科)

ヌルデ場所:園路沿い・森の里広場

 国語の教科書の中の『三年峠』という話に「秋に葉がきれいに染まる」というような描写で出てきます。紅葉しないまま茶色く枯れてしまう葉もあるのですが、鮮やかな紅に染まった葉はとてもきれいです。翼(よく)(葉と葉の間の軸にあるひらひらした部分)も紅くなります。名の由来は、塗料(ぬて)として使われたことから、あるいは樹液がヌルヌルするからなど、諸説あります。

アルプス公園の自然:ゲンノショウコ(フウロソウ科)

ゲンノショウコ

場所:森の入口周辺園路沿い

 フウロソウの仲間は「~フウロ」と名付くものが多い中、「現の証拠」というちょっと変わった名前がついています。その由来は、煎じて飲めばすぐに下痢止めの効果が現れる、という薬効から。古くから健胃整腸などの薬草として重宝されてきた植物です。

 写真の実は未熟で筒状ですが、熟すとはじけて反り返り、その形からついたミコシグサという別名も持っています。

アルプス公園の自然:ツリフネソウ(ツリフネソウ科)

ツリフネソウ

場所:森の里広場と北駐車場の間

 秋に紫色の花が釣り下がって咲きます。花の筒になった先端はくるりと巻いていて、蜜がたまっていますが、ここまで口の先端が届く虫は限られています。特定の虫に来てもらうことで、他のツリフネソウに確実に花粉を運んでもらえるメリットがあります。実は熟すとはじけて飛ぶ仕組みになっています。

秋の自然観察会を開催しました。

9月19日(土)に秋の自然観察会を開催しました。ご参加のみなさま、ありがとうございました!

観察会の様子

image0.cleaned.jpeg

秋の七草、キキョウを観察

image1.cleaned.jpeg

草木染にも使われるクサギの実を観察

 

 

観察した植物

オミナエシ

オミナエシなど秋の七草

キンミズヒキ

キンミズヒキなどひっつきむし

 

 

アルプス公園の自然:ヤマガラとエゴノキ

ページ01

エゴノキ Styrax japonica の実をくわえる         ヤマガラ Sittiparus varius

 南駐車場の近くのエゴノキで、何匹かのヤマガラたちを観察した。

 エゴノキは秋になると大量の実をつけるが、その実にはサポニンという毒があり、食べるとえぐいためこの名がついたと言われている。その毒と硬い果皮のため鳥たちもあまり食べようとしないが、ヤマガラだけはこの実が好物で、叩いて果皮を割る姿や、くわえてはどこかへ運ぶ姿を観察でる。

 実を運ぶのは冬に備えての貯えで、ヤマガラは隠し場所をほとんど記憶しているらしい。その中で運よく場所を忘れられた実は、春にそこで芽吹くことになる。

 

ページ03

器用に両足で支えて

ページ04

つついて割った果皮をはがし

ページ05

中身を取り出す

ページ06

少し離れた木の根元に実を隠そうとする

 

 

 

アルプス公園の自然:クスサン

 

クスサン

クスサン Saturnia japonica

 

 自動販売機で交尾中のペアを発見した。おそらく夜のうちに明りに引き寄せられて出会ったのだろう。
 クスサンはヤママユガ科とよばれる大型のガ類の1種で、翅を開いた大きさは12cmほどになる。写真は上がメスで下がオス。かなり色合いが違うが、これは雌雄の違いではなく、個体による色彩変異のため。雌雄の区別は触角の形が明瞭で、オスは羽毛状で、メスは両櫛歯状。
 幼虫は様々な植物を食べるため、夏頃には巨大な終齢幼虫が園内各所で見られる。薄緑の体に青い斑紋(気門という部分)があり、白く長い毛という少々毒々しい見た目だが、毒はない。