アルプス公園の自然:ヤマガラとエゴノキ

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エゴノキ Styrax japonica の実をくわえる         ヤマガラ Sittiparus varius

 南駐車場の近くのエゴノキで、何匹かのヤマガラたちを観察した。

 エゴノキは秋になると大量の実をつけるが、その実にはサポニンという毒があり、食べるとえぐいためこの名がついたと言われている。その毒と硬い果皮のため鳥たちもあまり食べようとしないが、ヤマガラだけはこの実が好物で、叩いて果皮を割る姿や、くわえてはどこかへ運ぶ姿を観察でる。

 実を運ぶのは冬に備えての貯えで、ヤマガラは隠し場所をほとんど記憶しているらしい。その中で運よく場所を忘れられた実は、春にそこで芽吹くことになる。

 

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器用に両足で支えて

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つついて割った果皮をはがし

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中身を取り出す

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少し離れた木の根元に実を隠そうとする

 

 

 

アルプス公園の自然:クスサン

 

クスサン

クスサン Saturnia japonica

 

 自動販売機で交尾中のペアを発見した。おそらく夜のうちに明りに引き寄せられて出会ったのだろう。
 クスサンはヤママユガ科とよばれる大型のガ類の1種で、翅を開いた大きさは12cmほどになる。写真は上がメスで下がオス。かなり色合いが違うが、これは雌雄の違いではなく、個体による色彩変異のため。雌雄の区別は触角の形が明瞭で、オスは羽毛状で、メスは両櫛歯状。
 幼虫は様々な植物を食べるため、夏頃には巨大な終齢幼虫が園内各所で見られる。薄緑の体に青い斑紋(気門という部分)があり、白く長い毛という少々毒々しい見た目だが、毒はない。

アルプス公園の自然:ナンバンハコベ(ナデシコ科)

ナンバンハコベ

場所:森の里森の入口間

 下向きや横向きに咲き、白い花弁が途中で折れ曲がっています。花は、いわゆるハコベの仲間と比べて格段に大きいです。実は緑色から黒色になります。名前は、花の形が珍しく異国風という理由でついたようです。

アルプス公園の自然:キンミズヒキ(バラ科)

キンミズヒキ

場所:園内各所

 8~10月に黄色い花を咲かせます。ミズヒキという植物もありますが、こちらはタデ科であり、近い種ではありません。漢字では金(きん)水引(みずひき)と書き、花が黄色で、ミズヒキのように花が穂のように細長くつくことからつきました。また、そのミズヒキは花が祝儀などで使う水引に似ていることから名がつきました。

「秋の自然観察会」を開催します。

山と自然博物館では「秋の自然観察会」を開催します。

日 時 令和2年9月19日(土)午前9時30分~午前11時30分 雨天中止、小雨決行

場 所 アルプス公園内園路(集合:森の入り口広場)

講 師 山と自然博物館職員

参加料   無料

持ち物 野外を歩きやすい服装、筆記用具、雨具、帽子、水筒 など

定 員 15名(定員になり次第受付終了します)

申込み 山と自然博物館(Tel 0263-38-0012)まで

アルプス公園の自然:オオカマキリ

ページ01 公園内を散策していると、ハギ類に大きなカマキリがいるのを見つけました。前脚の付け根の胸の部分の色が濃くないこと、見つけた場所が林に囲まれた場所だったことからおそらくオオカマキリでしょう。

 カマキリの仲間はその名の由来となっている鎌状の前脚を使ってほかの昆虫を食べる肉食の昆虫です。ハギの花に集まるチョウやハチなどの昆虫を狙ってこの場所で待ち構えていたのかもしれません。

アルプス公園の自然:秋の七草

オミナエシ、キキョウ、ハギ、クズ、ナデシコなどの花が園内各所で見られます。   

オミナエシ

オミナエシ

キキョウ

キキョウ

クズ

クズ

ナデシコ

ナデシコ

ハギ

ハギ

 

アルプス公園の自然:ボタンヅル(キンポウゲ科)

ボタンヅル

場所:水辺広場・森の里森の入口間

 8~9月頃に白い花を咲かせます。花びらのように見える4枚は萼(がく)です。つぼみ、花、花後、種子、すべての時期においてかわいらしい植物です。名の由来は、牡丹(ぼたん)のような葉を持ったつる植物、ということです。

アルプス公園の自然:イタチササゲ(マメ科)

イタチササゲ

場所:森の入口里間・山の神周辺

 マメ科の中では珍しいオレンジ色の花を咲かせます。名前の由来は花の色がイタチの毛色に似ていること、また実がササゲ豆に似ていることからついたようです。

アルプス公園の自然:アオスジハナバチ

アオスジコハナバチ メス

アオスジハナバチ Nomia incerta

ハチ目 コハナバチ科

場所:花の丘

 花粉や蜜を利用するハナバチ類のハチで、体長は1cmほどとミツバチよりひと回り小さい。特徴は腹部の模様で、名前の通り青いものから緑や黄色みがかるものまで個体差があり、美しい。

 写真はメスで、オスは後脚が太く独特な形をしていることから区別ができる。

 

アオスジコハナバチ

ピンボケしているが右下は上の写真と同じ花とメス

 しばらく見ていると、別の1匹が現れた。近くでホバリングをしたかと思うと、最初にいたメスに飛び掛かった。おそらくオスであろう。メスはすぐに花に戻ったので、アプローチは失敗に終わったようだ。

 よく見ると青い虫が花の上を高速で飛び回っていた。そうやってメスを探しているのだろう。その後も上記のようなアプローチを何回か見かけたが、いずれも成功はしなかった。

 出現時期は夏~秋にかけてなので、これからも観察の機会は多くあるだろう。