Vol.049 思いを巡らせ、語り合う場所(R5.4.18 文責:宮下)

開館まで半年を切り、新しい博物館では展示をはじめ様々な準備が佳境に入ってきました。各所に必要なものが据えられ、私たち職員も館の姿が実感できるようになってきました。

さて、今回のコラムでは、より具体的になってきた館内から、訪れた人が博物館を通じて体感したことに思いを巡らせたり、誰かと意見を交流できるような場所についてご紹介します。

 1 エントランスホールのベンチシート

建物東側(大名町通り側)の入り口を入ると、建物の1階から3階まで連なる吹き抜けのエントランスホールが広がります。このエントランスホールには、2階へと続く階段がありますが、その片側半分は階段の形を利用したベンチシートになっています。野球場の観客席のように段々になったシートは、ホールに設けられた映像コンテンツを見るのに最適。見上げれば市民と共同で製作したてまりモビールが見えるなど、広々した空間が感じられる場所です。

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2 探求の井戸

3階常設展示室の中程に、「探求の井戸」というコーナーがあります。ここには、古くから松本城下の人々に利用されてきた「源智の井戸」をモチーフとした白い8角形のイスが3基設置されています。観覧者は、展示資料を周りに置くこの井戸の縁へ座り、井戸端会議を楽しむように展示について語り合えます。また、井戸の中には、それぞれメッセージが沈んでおり、ちょっと意外な問いかけがなされています。

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3 一階北側の通路

1階の北側には、市民交流スペースという、ベンチや丸テーブルが据えられた場所があります。講堂の北側にある動線から奥まったところにある通路ですが、スペースの北側のガラス窓は天井まで届き、空の高さが感じられる空間になっています。

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紹介したもののほかに、コラムvol.41で紹介した松本民芸家具のあるドリンクコーナーなど、随所にイスやテーブルが設けられています。館内には、時に一人で、時に誰かと気持ちよく過ごせる場所がきっとあるはず。開館の際には、ぜひお気に入りの場所を探してみてください。