Vol.048 松本城ボールコースター(R5.4.11文責:高木)
新年度が始まりました。10月の新博物館オープンを目指して、引き続きこのコラムを続けていきます。今日はアソビバ!の松本城ボールコースターについてです。
アソビバ!の西側に、中町の土蔵、馬場家住宅、松本城、旧開智学校校舎という松本の4つの特徴的な建物をモチーフにした造作を設置しました。それぞれの空間が小さな遊び場になっていて、松本城の中はボールコースターになっています。正面の5つの入口に木のボールを入れると、鈴を鳴らしたり、武者走りのような通路を走ったり、階段のシロフォンを鳴らしたりして、最後は石垣のところに落ちてきます。松本城を守るための防御設備だった石落としから石が落ちてくるようなイメージです。ボールを入れてから落ちてくるまで目を離せません。大人でも楽しめるボールコースターです。
このコースターをデザインし、模型を作って検討してくれたのは、てまりモビールのアートプロデュースをしてくれた小松宏誠さんです。てまりモビールでも模型を作って細やかに設計してくれましたが、今回も私たちの想像を上回る、さすが美術家という楽しい、美しい、設計をしてくれました。
松本城の格子窓をイメージした中央の黒い格子部分は後ろからライトがあたるようになっていて、走り抜けていくボールの影が美しく映り幻想的です。軽やかな音が気持ちいいシロフォンの階段も城内の階段を思わせます。赤い欄干はもちろん月見櫓のイメージです。木のボールを自分だと思って見ると、城内を駆け抜けるサムライになったようでワクワクします。
先日、育休中の職員が、つたい歩きを始めた1歳3か月の男の子を連れて訪ねてきてくれました。ママに抱っこされて入れたボールが、お城の中を転がっていく様子に大喜び。松本城ボールコースターを気に入ってくれた様子です。
さらに、一番下に設けた入口に自分自身で立ってボールが入れられるとわかると、もう夢中です。しっかりと立って、背伸びして、何度も何度もボールを入れていました。自分でできたという喜びに溢れたその姿に、見ている私たちも感動しました。
博物館がオープンすれば毎日でもこんなシーンに出会えるでしょう。松本城ボールコースターはアソビバ!の人気アイテムになりそうです。