今月の短歌 ~窪田空穂の歌の魅力をご紹介~

歌人として活躍した窪田空穂は、生涯で1万4千首以上の短歌をのこしています。空穂の短歌は日常の一瞬を切り取ったものが多く、時代を超えて私たちの心に染みわたります。
窪田空穂記念館職員が選んだ今月の短歌をご紹介します。

 【窪田空穂記念館】つばめ

つばくらめ飛ぶかと見れば消え去りて
     空あをあをとはるかなるかな
(つばくらめとぶかとみればきえさりて
       そらあおあおとはるかなるかな)
               歌集『濁れる川』所収

 

 
掲出歌は、空穂35歳のときの作品で、多くの人に愛唱されてきた歌のひとつです。直線的に、伸びやかに空を横切る燕の姿に心を躍らせるのですが、ふと気が付くと燕は飛び去ってしまい、そこには青い空が果てしなく続いているとうたっています。
さっきまでの燕の素早い動きを心に残しながらも、残された「はるかなる」青空の静けさに、広く心が開かれる思いがする一首です。

【窪田空穂記念館】つばめある日、窪田空穂記念館の前の電線に、たくさんの燕がとまっていました。巣立ちをした雛たちが、秋になって暖かい土地に旅立つために練習をしているようでした。電線から離れてもすぐ戻ってしまう燕、頑張って何回も旋回する燕、一羽一羽の成長に違いがあるようで、少し心配になりました。先日、飛べなくなって道路で羽をバタつかせていた燕を見つけ病院に連れて行ったことを思い出し、頑張れとつぶやきました。
写真を撮った日は青空が広がっており、これからこの子たちが大空を自由に飛び回れるようになることを、心から願いました。

今月の短歌 ~窪田空穂の歌の魅力をご紹介~

歌人として活躍した窪田空穂は、生涯で1万4千首以上の短歌をのこしています。空穂の短歌は日常の一瞬を切り取ったものが多く、時代を超えて私たちの心に染みわたります。
窪田空穂記念館職員が選んだ今月の短歌をご紹介します。

【窪田空穂記念館】スタンドの 

スタンドの灯かげの狭くわれ囲み
       夏の夜のやみ深さ知られず
(スタンドのひかげのせまくわれかこみ
          なつのよのやみふかさしられず)
               歌集『卓上の灯』所収

 

 

歌集『卓上の灯』(1955年刊)に、「暑熱甚し」と題して収められた九首の一つです。
卓上のスタンドが狭い範囲を明るく照らしており、その周りには、限りもない深い闇が広がっていると詠んでいます。
他の季節と比べても一段と暗く感じられる夏の夜の闇。その中、電灯が照らすわずかな空間に自分はひとり座っている。限りなく広い天地の間に生きている微小な存在の自分に思いが及んでいたのでしょう。

ところで、この写真の机は空穂が実際に使っていたものです。愛用の筆記用具、ルーペ、時計、Peace缶(たばこ)などが置かれています。面白いのは、トランプがあることです。空穂はトランプ占いが好きでよくやっていたといいます。

 【窪田空穂記念館】スタンドの(色紙)

窪田空穂記念館では、この短歌の直筆色紙を7月末まで展示しています。
直筆だからこそ感じ取れる空穂の想いを、ぜひご覧ください。

 

今月の短歌 ~窪田空穂の歌の魅力をご紹介~

歌人として活躍した窪田空穂は、生涯で1万4千首以上の短歌をのこしています。
空穂の短歌は日常の一瞬を切り取ったものが多く、時代を超えて私たちの心に染みわたります。
そんな空穂の短歌を「今月の短歌」として毎月ご紹介します。

〈6月の短歌〉

 松本城高山のかこめる空の真中占め
       五層さやかに深志城立つ

(たかやまのかこめるそらのまなかしめ
        ごそうさやかにふかしじょうたつ)
                  (歌集『木草と共に』所収)

 
昭和38(1963)年、空穂86歳のときの短歌です。
「松本市を想ふ」と題してまとめた7首の内の一首で、信州の山々に囲まれた空の真ん中にたつ松本城(深志城)を思い起こして詠んでいます。
松本市和田出身の空穂は、23歳から東京に住みますが度々松本にも帰省しています。最後の帰省は77歳のときで、城山公園に空穂の歌碑がたてられ、その除幕式のための帰省でした。この歌を詠んだのはそれから約10年後。この頃は病に伏せっていたり、若いころを思い出しての歌もあったりと、いろいろな面で故郷を思い出し自分を励ましていたのかもしれません。「さやかに」とは「さわやかに」や「はっきりと」という意味があります。今も昔も、そしてどんな状況でも”さやかに”そこにたっている松本城。この短歌をよむと、松本城は変わらないその姿で私たちを励ましている気がしてきます。

この短歌の空穂直筆色紙を、窪田空穂記念館にて6月末まで展示しています。
直筆だからこそ感じ取れる空穂の想いを、ぜひご覧ください。

 

窪田空穂記念館/第1回運営委員会開催について

窪田空穂記念館 令和元年度第1回運営委員会を開催します。
傍聴を希望される場合は、開始時間の10分前までに会場へお越しください。

1 日時
  令和元年5月16日(木) 午後1時30分から

2 会場
  窪田空穂記念館 会議室

3 公開・非公開の別
  公開

4 傍聴者数
  3人

5 傍聴のときに守っていただくこと
 ⑴ 委員席には入らないでください。
 ⑵ 委員の発言に対し、声を出したり拍手等しないでください。
 ⑶ 会話などしないでください。
 ⑷ 帽子、外套、えり巻などは着用しないでください。
 ⑸ ものを食べたり、たばこを吸ったりしないでください。
 ⑹ 写真撮影及び動画撮影などはしないでください。
 ⑺ 携帯電話を持ち込む場合は、音の出ないようにしてください。

6 その他
  傍聴希望者が多数の場合は、抽選を行います。