発掘された松本2022⑥ 「松本城二の丸跡第9次調査」
前回(発掘された松本2022⑤ 「松本城三の丸跡土居尻第16次調査」)に続き、発掘された松本2022の調査結果を紹介していきます。今回は松本城二の丸跡第9次調査です。
松本城二の丸跡第9次調査
松本城二の丸にある松本市立博物館の解体に伴い、周辺遺構の残存状況を調査するために実施されました。松本市立博物館は、昭和43(1968)年に建設され、「日本民俗資料館」の名称で開館しました。その後、松本市立博物館へ名称が変更し50余年にわたり二の丸の地で松本の郷土と歴史を伝えてきました。
(松本市立博物館は施設老朽化に伴い、新館の建設及び移転のため令和3年3月で閉館となり、新しい松本市立博物館は令和5年10月にオープン予定です。)
調査の結果、博物館西側からは現在の建物が建設される前の地表面が確認されました。瓦が出土し、「昭和弐拾八年修補」と刻印されていたことから、博物館の隣にあった動物園が設置された昭和28年から現在の建物が建設された昭和43年までの地表面であると考えられます。
松本城外堀に隣接する博物館南側でも、同様の整地面が確認できましたが、松本城の土塁や辰巳隅櫓に関する遺構・遺物は確認できませんでした。