考古博物館ニュース⑩ 学芸員のおすすめ資料
土の中からこんにちは!松本出土の土偶たち
土偶は、縄文時代に祈りや願いを捧げるために作られた素焼きの土人形です。女性を模した形が多く、出産の無事・子孫繁栄や病気の治癒、食料の確保などを祈願するための道具ではないかと言われています。また、土偶が完全な形で発見されることは極めて少なく、バラバラの状態で見つかることが多いので、病気やケガをした人の身代わりとして、人為的に破壊されたのではと考えられ、なんらかの儀式に使用されていたとも推測されます。
そんな土偶ですが、人を模しているだけあり、表情がとても豊かなことが特徴です。出土地によっても顔が違い、笑っていたり困っていたりと様々な表情を見ることができます。何万年も昔に暮らしていた人々はこのような顔をしていたのでしょうか。
今回は土偶の顔をピックアップして紹介します。松本で出土した個性豊かな土偶たちの表情をご覧ください。
※ ★がついているものは現在展示中の土偶です。
コラムクイズ
松本市内田・エリ穴遺跡では、遮光器土偶をまねた土偶が出土しています。遮光器土偶といえば、東北地域の文化圏が本場の土偶で、亀ヶ岡遺跡から出土したものは国重要文化財に指定されています。亀ヶ岡遺跡は何県にある遺跡でしょう?