博物館周辺の自然:コムラサキ
オオムラサキと同じタテハチョウ科コムラサキ亜科に属するチョウ。「大紫」に比べて小さいため「小紫」だが、チョウとしては中型。構造色による光沢のある紫色が特徴だが、角度によってはまったく紫に見えない。
基本的には食草のヤナギ類が生える水辺に生息するチョウなので、アルプス公園のような環境ではあまり見られないのだが、今回は森の入口広場で見つけた。確かに池のほとりにはヤナギが植栽されてはいるが、おそらくここで羽化したのではなく、谷筋沿いに飛来したものと思われる。
博物館周辺の自然の自然:エントツドロバチ
東屋の支柱の隙間に巣を作ったエントツドロバチ。
ドロバチはその名の通り泥を集めた巣を作り、そこに幼虫のエサとなるイモムシなどを運んで卵を産み付ける。中でもエントツドロバチは入口を煙突のように伸ばすのが特徴的。
博物館周辺の自然:ガマズミに集まる甲虫たち
博物館の裏手のガマズミの花に多くの昆虫が集まっていた。特に甲虫の多さには目を見張るものがあったので紹介する。甲虫以外にも双翅目(ハエ・アブの仲間)、鱗翅目(チョウ・ガの仲間)、膜翅目(ハチの仲間)など多くの昆虫が見られた。ガマズミはアルプス公園内の各所に生育するが、これほど多いのは館の周辺ではこの株だけであった。西側が林に面しているという立地がいいのだろうか?
ガマズミ
ガマズミ科の植物。
5~6月にかけて白く小さな花をたくさん咲かせる。
秋には赤い実をつけ、鳥たちが好んで食べる。人間の食用にもなる。
カミキリムシの仲間
コガネムシの仲間
特別展『信州の蝶とその多様性』開催のお知らせ
全国で最も種類が多いと言われている長野県の蝶について、松本市にお住まいだった蝶類研究家浜栄一氏の標本を用いて展示・解説します。また、浜氏の点描画や研究・活動について展示します。
会期:5月16日(土)~9月27日(日)
開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
会場:山と自然博物館 2階常設展示室
料金:通常観覧料金(大人310円 中学生以下無料)
博物館周辺の自然:ヨコヅナサシガメ
学名:Agriosphodrus dohrni
カメムシ目(半翅目)サシガメ科
カメムシの仲間は草食性のものが多いが、サシガメと呼ばれる肉食性の一群がいる。その中でも日本では大型の種(とはいうものの明治以降に中国から入ってきた移入種と考えられている)。幼虫はサクラの幹などで集団越冬し、この時期に羽化するが、羽化直後は体が固まるまでは写真のように真っ赤。
※不用意に触れるとエサの体液を吸うための口吻(こうふん)で刺されることもあるのでご注意ください!
博物館周辺の自然:ヒゲナガハナバチ
ニッポンヒゲナガハナバチ 学名:Eucera nipponensis
シロスジヒゲナガハナバチ 学名:Eucera spurcatipes
ハチ目(膜翅目)ミツバチ科
花に集まるハチの仲間でオスは長い触角が特徴的。長野県には4種類生息していて、アルプス公園で確認したのは今のところこの2種。南駐車場のドウダンツツジや博物館裏のカラスノエンドウに来ていた。