アルプス公園の自然:イタチササゲ(マメ科)

イタチササゲ

場所:森の入口里間・山の神周辺

 マメ科の中では珍しいオレンジ色の花を咲かせます。名前の由来は花の色がイタチの毛色に似ていること、また実がササゲ豆に似ていることからついたようです。

アルプス公園の自然:アオスジハナバチ

アオスジコハナバチ メス

アオスジハナバチ Nomia incerta

ハチ目 コハナバチ科

場所:花の丘

 花粉や蜜を利用するハナバチ類のハチで、体長は1cmほどとミツバチよりひと回り小さい。特徴は腹部の模様で、名前の通り青いものから緑や黄色みがかるものまで個体差があり、美しい。

 写真はメスで、オスは後脚が太く独特な形をしていることから区別ができる。

 

アオスジコハナバチ

ピンボケしているが右下は上の写真と同じ花とメス

 しばらく見ていると、別の1匹が現れた。近くでホバリングをしたかと思うと、最初にいたメスに飛び掛かった。おそらくオスであろう。メスはすぐに花に戻ったので、アプローチは失敗に終わったようだ。

 よく見ると青い虫が花の上を高速で飛び回っていた。そうやってメスを探しているのだろう。その後も上記のようなアプローチを何回か見かけたが、いずれも成功はしなかった。

 出現時期は夏~秋にかけてなので、これからも観察の機会は多くあるだろう。

 

 

アルプス公園の自然:アカネ(アカネ科)

アカネ場所:水辺広場・花の丘西園路沿い

つる植物で、茎は四角くざらざらしています。小さな淡い黄色っぽい花を咲かせ、秋には黒い実になります。ハート形の葉は、葉の大きさにしては長めの柄がついていて、茎の一か所から4枚の葉が出ているように見えます。

アカネは「赤根」の意で、この根を使って草木染めした色を茜(あかね)色と呼びます。

アルプス公園の自然:ヤブラン(キジカクシ科)

ヤブラン場所:園内各所

ヤブランは林の中に生える多年草です。8月頃に紫色の花をやや上向きに咲かせます。秋になると黒い実ができます。

似た花にジャノヒゲがありますが、こちらは花が下向きに咲き、青紫色の実をつけることで見分けられます。

アルプス公園の自然:ネムノキ(マメ科)

ネムノキ場所:園内各所

 ネムノキは太陽が昇ると葉を開き、日没の頃から濃厚な甘い香りをさせて花を開きます。主に夜に活動するスズメガなどに花粉を運んでもらうようです。

 ネムノキの名前は、夜に葉が閉じて眠ったように見えることからつきました。

アルプス公園の自然:ワルナスビ(ナス科)

ワルナスビ場所:冒険広場付近

 花の形や黄色いおしべの感じはナスに似ていますが、花びらは紫ではなく白っぽい色をしています。秋にはミニトマトのような形の黄色い実がなります。また、茎や葉に鋭いとげがあります。

 痛いとげが多数付くこと、全草に毒があること、種からも地下茎からも増えていき繁殖力が強いことから、「悪茄子」という名がつけられました。

博物館周辺の自然:コムラサキ

コムラサキ:アルプス公園

コムラサキ Apatura metis

 オオムラサキと同じタテハチョウ科コムラサキ亜科に属するチョウ。「大紫」に比べて小さいため「小紫」だが、チョウとしては中型。構造色による光沢のある紫色が特徴だが、角度によってはまったく紫に見えない。

 基本的には食草のヤナギ類が生える水辺に生息するチョウなので、アルプス公園のような環境ではあまり見られないのだが、今回は森の入口広場で見つけた。確かに池のほとりにはヤナギが植栽されてはいるが、おそらくここで羽化したのではなく、谷筋沿いに飛来したものと思われる。

 

コムラキ:島々谷

別の場所で撮影した地面で吸水するコムラサキ        角度が悪く、紫色には見えない

 

 

博物館周辺の自然の自然:エントツドロバチ

エントツドロバチ

エントツドロバチ Orancistrocerus drewseni

 東屋の支柱の隙間に巣を作ったエントツドロバチ。

 ドロバチはその名の通り泥を集めた巣を作り、そこに幼虫のエサとなるイモムシなどを運んで卵を産み付ける。中でもエントツドロバチは入口を煙突のように伸ばすのが特徴的。

博物館周辺の自然:ガマズミに集まる甲虫たち

 博物館の裏手のガマズミの花に多くの昆虫が集まっていた。特に甲虫の多さには目を見張るものがあったので紹介する。甲虫以外にも双翅目(ハエ・アブの仲間)、鱗翅目(チョウ・ガの仲間)、膜翅目(ハチの仲間)など多くの昆虫が見られた。ガマズミはアルプス公園内の各所に生育するが、これほど多いのは館の周辺ではこの株だけであった。西側が林に面しているという立地がいいのだろうか?

ガマズミ

ガマズミ Viburnum dilatatum

ガマズミ Viburnum dilatatum

ガマズミ科の植物。

5~6月にかけて白く小さな花をたくさん咲かせる。

秋には赤い実をつけ、鳥たちが好んで食べる。人間の食用にもなる。

カミキリムシの仲間

エグリトラカミキリ Chlorophorus japonicus

エグリトラカミキリ Chlorophorus japonicus

キイロトラカミキリ Grammographus notabilis

キイロトラカミキリ Grammographus notabilis

キスジトラカミキリ Cyrtoclytus caproides

キスジトラカミキリ Cyrtoclytus caproides

キンケトラカミキリ Clytus auripilis

キンケトラカミキリ Clytus auripilis

ベニカミキリ Purpuricenus temminckii

ベニカミキリ Purpuricenus temminckii

ホタルカミキリ Dere thoracica

ホタルカミキリ Dere thoracica

ツヤケシハナカミキリ Anastrangalia scotodes

ツヤケシハナカミキリ Anastrangalia scotodes

 

コガネムシの仲間

クロハナムグリ Glycyphana fulvistemma

クロハナムグリ Glycyphana fulvistemma

コアオハナムグリ Gametis jucunda

コアオハナムグリ Gametis jucunda

ヒメトラハナムグリ Lasiotrichius succinctus

ヒメトラハナムグリ Lasiotrichius succinctus

ヒメアシナガコガネ Ectinohoplia obducta

ヒメアシナガコガネ Ectinohoplia obducta

 

 

博物館周辺の自然:ヨコヅナサシガメ

ヨコヅナサシガメ成虫

成虫

ヨコヅナサシガメ羽化直後

羽化直後の成虫

ヨコヅナサシガメ幼虫

幼虫

 

 

 

 

 

 

 

 

学名:Agriosphodrus dohrni

カメムシ目(半翅目)サシガメ科

 カメムシの仲間は草食性のものが多いが、サシガメと呼ばれる肉食性の一群がいる。その中でも日本では大型の種(とはいうものの明治以降に中国から入ってきた移入種と考えられている)。幼虫はサクラの幹などで集団越冬し、この時期に羽化するが、羽化直後は体が固まるまでは写真のように真っ赤。

※不用意に触れるとエサの体液を吸うための口吻(こうふん)で刺されることもあるのでご注意ください!

 

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