Vol.92 学校連携について ( R6.8.9 文責:本間 )
松本市立博物館では、地域の学校と連携した講義・講座を実施しています。ここでは、今年私が担当させていただいた事業を紹介します。
1 並柳小学校 社会科地域学習
並柳小学校3年2組の皆さんは、社会科地域学習の一環で「並柳小学校周辺の土地利用」について調べています。博物館に「並柳小学校周辺の土地の歴史について教えてほしい」というご依頼をいただきました。当日は江戸時代など昔の地図を見ながら、並柳の歴史を学びました。
小学生の皆さんから、「並柳に古墳がたくさんあるのを初めて知った。」「並柳の歴史を知れて良かった。」などの感想をいただきました。博物館資料を活用しながら、若い世代の皆さんと歴史を学べる機会となりました。
2 松本市立博物館 松本筑摩高等学校連携「文学連続講座」
松本市立博物館・松本筑摩高等学校連携事業として、「文学連続講座」を開催しました。松本高等学校(旧制)出身作家や作品をメインに、全3回の講座を実施しました。各講座の内容を紹介します。
(1) 講演会「郷土作家が書く松本」
第1回目の講座では講演会を行いました。「郷土作家が書く松本」というテーマで、「松本高等学校の紹介」や「松本高校出身作家が自身の作品で描く松本の様子」などを中心にお話しました。
松本筑摩高等学校の学生さんからは「松本高等学校はエリートのイメージがあった。しかし、学生に破天荒な一面があって驚いた。」という感想をいただきました。
また第1回目の講座のみ一般公開しました。学生の皆様や地域の皆様に、松本の文学や歴史をお伝えできる機会になったと思います。
(2) 北杜夫資料紹介
2回目の講座では、松本高等学校出身作家・北杜夫の資料紹介を行いました。北杜夫の人物像を紹介した後に、生徒の皆さんに資料現物を触っていただきました。
生徒の皆さんより、「資料に使用した痕跡が残っており面白い。」「資料から人となりが分かる。」などの感想をいただきました。生徒さんならではの感性豊かな視点で資料をご覧いただき、意見を伺うことで、私自身も勉強になりました。
(3) あがたの森散策
3回目の講座では「あがたの森散策」を実施しました。あがたの森は松本高等学校の敷地だった場所です。国指定の重要文化財である校舎・講堂が現存しています。今回は敷地内や、校舎・講堂内を巡りました。当時の写真と今の様子を見比べながら散策しました。
学生の皆さんが、校舎・講堂の内装など細部まで興味を持って見てくれていました。現地を巡りながら一緒に歴史を学ぶことができたと思います。
松本筑摩高校の皆さんとの連携講座は、今年秋にも実施予定です。今後も若い世代の皆さんに博物館や資料・文化財に触れていただく機会を作り、未来に繋げていきたいと思っています。