Vol.122 身近な場所での自然観察・松本城の堀(R7.12.24 文責:内川)
私は以前、アルプス公園にある分館・山と自然博物館に勤務していましたが、令和5年度にリニューアルオープンに合わせて本館に異動してまいりました(山と自然博物館も引き続き担当しております)。そこで、せっかく本館勤務になったのなら、と始めた企画が冬に松本城で見られる野鳥の観察会です。
もともと、旧本館が松本城の敷地内にあったこともあり、博物館に異動してきた年から松本城の生きものついて調べていました。特に冬の時期にやってくるカモは、種数や数は近隣の観察地には劣るものの、細長い堀の形から、観察に適した場所でした。そんなカモたちの様子は、あなたと博物館№232でも紹介しています。それから数年、他の野鳥に関する知識も身につけ、自分でも講師をある程度やれるようになったため、観察会も始めました。ほぼ確実に野鳥が見られること、身近な場所であることから、初心者の方も楽しみやすい観察会にしやすい場所でもあります。
観察会では、カモ以外にも何種類かの野鳥が見られます。中でも観察会で見られると嬉しいのがカワセミです。1回目の観察会では、黒門の横で水に飛び込む様子が何度も見られ、参加者のみなさんを楽しませていました。
観察会で見られるカモの中から松本城の代表といえる種、オカヨシガモを紹介します。カモ類のオスのほとんどはメスと異なる姿をしていて、派手な見た目をしていることが多いのですが、オカヨシガモはメスとは異なるものの、そこまで派手ではありません。ただ、そのシックなグレーは、地味ながら美しいように思います。

左がオス、右がメス

オスが首を伸ばす求愛行動をしメスが応える
このオカヨシガモは付近の観察地でも見られますが、あまり数が多くなく多くても十数羽で、しかも池の対岸付近に集まっていることが多く、中々観察しやすい鳥とはいえません。
ところが、松本城では毎年安定して3~40羽ほどが見られます。そして、狭い堀で観察しやすく、個体によっては割と近くまで寄ってきます。また、日中も活発に活動していて、見ていて飽きません。
観察会は今年度も来月、令和8年1月10日(土)に開催予定です。申込締切は25日(木)までですが、定員割れの見込みですので引き続き受付を行う予定です。興味があればお問い合わせください。
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