発掘された松本2022① 概要と「史跡弘法山古墳第4次」
令和4年発掘調査の概要
令和4(2022)年の発掘調査では、これまでに続いて松本城周辺の調査が精力的に進められ、かつての松本城の姿や築城以前の様子を紐解く手がかりとなる発見がありました。
また、長野県埋蔵文化財センターによる松本波田道路建設に伴う調査では、波田地区、島立地区で、新たな古墳や中・近世の墓群、古代の集落が発見され、注目が集まりました。
今回は一昨年より実施されている弘法山古墳第4次調査を紹介いたします。次回以降も数回にわたり、令和4年発掘調査の速報をお届けします。
史跡弘法山古墳第4次調査
弘法山古墳の再整備に向けて、令和2年度から継続して調査が行われています。今年度は前方部とくびれ部(前方部と後方部が結合する部分)にトレンチを3カ所設定し、発掘調査を実施しました。調査では、古墳の形や規模などを明らかにするために、土の違いを観察しながら、古墳が造られた後に堆積した土を取り除いています。
古墳の前方部の形状は、台形の他に、撥形(ばちがた)や柄鏡形が見られます。弘法山古墳の前方部がどのような形状かを確認するために設定したFトレンチでは、古墳の築造後に堆積した土や大量の石を取り除いたところ、古墳の上面、墳裾部の様子やくびれ部の形状が明らかになりつつあります。