☆化石新聞第16刊~シガウスバハギについて~☆

四賀地区の長野県天然記念物(化石)

こんにちは!化石館学芸員の小林です。皆さんは四賀地区で発見された化石で、長野県天然記念物に指定されているものがいくつあるかご存じですか?答えは3つです。そのうちの二つは化石館に展示してあり、以前の化石新聞でご紹介しました「シガマッコウクジラ全身骨格化石」と「シナノアロデスムス頭蓋骨化石」です。残りの一つは四賀穴沢地区に現地保存されている「穴沢のクジラ化石」です。長野県天然記念物は、化石以外の自然資料を含めて長野県に約100点ありますが、四賀地区だけで3つもあるということはとてもすごいことです。今回の化石新聞は、長野県天然記念物には指定されていませんが、指定されてもおかしくない「シガウスバハギ化石」をご紹介します。

シガマッコウクジラ全身骨格化石

シガマッコウクジラ全身骨格化石

 

シガウスバハギの発掘

  • 2012年9月9日、当時の京都大学4年生が研究のために四賀の保福寺川を調査していたところ発掘されました。
  • シガマッコウクジラ発掘地のすぐそばで発見されたため、地層年代は同じく別所層(1300万年前~1500万年前)で、シガウスバハギも約1300万年前の松本の海を優雅に泳いでいたと考えられます。
  • 2012年当時、カワハギ科の化石では世界で4例目、アジアで初の大発見でした。
     ※4例とは、北米産、イタリア産、ギリシャ産、四賀産
  • 2014年6月15日、当館に寄贈されました。

    シガウスバハギ化石

    シガウスバハギ化石

シガウスバハギとは

  • 2014年4月10日、シガウスバハギはカワハギ科ウスバハギ属に属する新種として論文に掲載されました。
  • 和名はシガウスバハギ、学名はAluterus shigensis
  • 四賀で発見された個体は、頭が未発見ですが、全長約15センチ、全幅約7センチあります。
  • 特徴である第一背びれ棘をはじめ、第二背びれ棘、臀びれ、尾びれが保存されているとても状態の良い化石です。
  • 化石そのものだけでなく、カウンターパート(化石を割ったときの片割れ)も一緒に発見されています。

    シガウスバハギ復元イラスト

    シガウスバハギ復元イラスト

シガウスバハギから分かること

シガウスバハギに極めて近いソウシハギが現在、熱帯の海に生息しているため、当時の松本の海は暖流が流れる温かい海だったと推測できます。一方で、寒い海に生息するニシンの鱗の化石も大量に見つかっているため、矛盾があり、今後の研究課題となっています。このように、化石から様々なことがわかりますので、皆さんも当時の松本の海を想像して、考えてみてはいかがでしょうか。間違っていても、「こういう海だったのかな?」「なんでこの化石が見つかるのかな?」などなど考えを巡らせてみると、化石の魅力を感じることができます。化石を鑑賞するだけでなく、ぜひ勉強に使っていただけたら嬉しいです。皆様のご来館をお待ちしております。