vol.31 魅せる展示室(R4.10.6 文責:千賀)

2か月ほど前に「空っぽの展示室」をご紹介しましたが、現在は、展示制作の真っただ中。空っぽだった部屋に展示ケースや演出物が次々と設置され、壁面には写真グラフィックなどが貼られていきます。

こうした演出物や壁面の写真グラフィックは、旧博物館にはありませんでした。展示資料と解説文書をシンプルに並べ、資料をじっくりと「見せる」スタイルでしたが、一方で、変化に乏しく単調になってしまいがちという課題がありました。

そこで、新博物館では演出物などを設置し、資料だけでなく展示空間も楽しめるよう計画しました。例えば、この写真では、間仕切り壁の上部に山並みをイメージした演出物を設置しています。これは、重層的な北アルプスの山並みを表現したものですが、この先の空間への視線を遮ることを狙っています。さらに、下部の間仕切り壁によって動線を複雑にすることで、この先の空間を意図的に隠しています。この先は「山」の展示コーナーですので、市街地から山を見たときに感じる「距離感」や「奥深さ」をイメージしてもらうための仕掛けです。

展示室全体で松本らしさを感じていただくために、こうした演出物をいくつも設置していきます。展示室が魅力的になると、そこで見る資料への理解もぐっと深まり、資料を「魅せる」ことになると考えます。

すべての人にとって楽しく分かりやすい展示室となるよう、ただ今必死に製作しております。開館まで今少しお待ちください。