Vol.052 博物館の照明(R5.5.9文責:原澤)
博物館の展示で一番の主役は展示資料ですが、今回は、そんな展示資料の魅力や存在を際立たせる、博物館展示室の照明器具について紹介したいと思います。
以前の博物館では、高い天井にある照明を調整することは、非常に大変な作業でした。脚立に上り、スポットライトを設置し向き調光を行い、展示資料や展示パネルが見やすくできているかを確認するという作業を複数人で行っていました。また展示室内での脚立などを使った照明の調整は、資料を安全な場所に移動するなど、資料や展示ケースを傷つけないように大変慎重に行っていました。展示資料が沢山であったり、展示室が広いとさらに大変で、展示作業の終盤に行う作業と言うこともあって、学芸員泣かせな作業でした。
今回新しい博物館の展示室に導入された照明器具は、ライトの向きや調光だけでなく、光の色の変更や配光の角度の調整など様々なことが、スマートフォンのアプリを使い、地上にいながらできるようになりました。
スマートフォンの操作画面 |
今まで照明の調整にかけていた時間を短縮することができました。また、光色や配光角度を調整できるようになったことで、様々な演出もできるようになり展示の幅も広がりました。
光色の変更(左2700K、右5000K) |
配光角度を狭めた状態 |
新しい照明器具を使い、より見やすく、魅力的な展示ができるよう頑張っていきたいと思います。開館後に博物館へご来館の際は、照明なども少し気にかけていただけると嬉しいです。