発掘された松本2020➀ 概要と「史跡弘法山古墳第2次」
令和2年発掘調査の概要
松本市では、令和2年の1年間に8件7遺跡の発掘調査が行われました。発掘の成果として、史跡弘法山古墳の調査が約半世紀ぶりに行われた事・松本市東側の山辺地区で古代から中世にかけての集落跡が発見された事・信濃国府推定地の一つに挙げられる県町遺跡で古墳時代の集落跡が発見されたことなどがあります。今回から数回にわたり、令和2年発掘調査の速報をお届けします。
史跡弘法山古墳第2次発掘調査
史跡弘法山古墳の再整備に向け、今年度より開始した発掘調査では、まず後方部の2箇所にトレンチ(土の堆積の様子を観察するための溝)を設定し、調査を実施しました。
調査の結果、古墳の盛土、古墳の築造後に堆積した土、史跡公園として整備をした際に古墳を保護するために盛った土などを確認しました。古墳の盛土は固く締まっており、かなり土を丁寧に突き固めて造られたことが分かりました。また、盛土の中から弥生土器の破片や黒曜石が見つかったことから、弥生時代の人々の集落の跡から土を運び、古墳が築造された可能性が示唆されます。また、古墳の裾部(端の部分)の調査から、当時の地面を削って整形してから土を盛っていることも分かりました。今回の調査から、弘法山古墳は非常に丁寧に造っていることが分かってきました。
コラムクイズ
弘法山古墳は昭和51年に史跡に指定され、昭和57年には史跡公園として整備されました。現在では桜の名所としても親しまれています。では、この弘法山古墳が初めて調査されたのはいつでしょう。