常設展展示紹介⑧ 「弥生時代の土器」

弥生土器ってどんな土器?

 1884年(明治17)、東京府本郷区向ヶ丘弥生町(現:東京都文京区弥生)から見つかった土器は、これまでに発見された土器(縄文土器)と異なった特徴を持っていました。縄文時代より上の地層で見つかったこの土器は、発見された地名から弥生式土器(現在は弥生土器)と名付けられました。
 弥生土器は、稲作文化とともに発達した土器で、縄文土器と比べて形や文様がとても簡素です。回転台を使ってつくられたことと、櫛で描いた文様が特徴です。また、弥生土器は用途に応じて、はっきりと形が決まっていました。
※回転台:土器の形を整えたり、土器の紋様を整えるときに使う。土器の向きを変えたり、回転させるために使う台

弥生土器 (境窪遺跡)

弥生土器 (境窪遺跡)

遠賀川式土器

 「遠賀川式土器」は福岡県遠賀川下流の立屋敷遺跡で出土した弥生土器で、出土地にちなんで名づけられました。弥生時代前期に九州から東海地方に広く分布し、弥生文化がその地域へ伝わった目安となる土器です。
 針塚遺跡からは、「遠賀川式土器」を用いた墓(再葬墓)が発見されています。

遠賀川式土器(針塚遺跡出土)

遠賀川式土器(針塚遺跡出土)

 

コラムクイズ

弥生時代中期から後期の大きなムラの跡である百瀬遺跡からは、集落の周囲に濠(深く掘り下げた堀)を巡らせた「環濠(かんごう)」の跡が発見されています。弥生時代の「環濠」の役割として考えられるのは次のうちどれでしょう?

環濠のある弥生時代後期のムラ(百瀬遺跡の想像図)

3つの中から選択してください