アルプス公園の自然:キムネクマバチ

キムネクマバチ♂

キムネクマバチ♂ Xylocopa appendiculata

 アルプス公園のソメイヨシノは散ってしまったが、園内には様々なサクラが植わっており、まだまだ花を楽しむことができる。
 そんな花盛りサクラの近くで「ブゥゥゥゥゥゥゥン」という恐ろし気な音が聞こえ始めた。正体はキムネクマバチのオスだ。彼らは花の近くで縄張りを張り、ホバリングしながらメスを待つ。お目当てのメスはまだ羽化していないようだが、近づいてきた他のオスを追い払う姿がよく観察できた。大きな羽音と立派な体躯は怖い印象を与えるが、ハチの針は産卵管に由来する器官なので、オスは針を持たない。近づいても人間を襲ってくることはないので過度に恐れないでほしい。
 ところで、さまざまなサクラを見てまわると、セイヨウミツバチが盛んに訪花している樹とそうでない樹があることに気づいた。樹種によって花粉や蜜の量が違うのだろうか。キムネクマバチのオスはどちらの樹の周りでも見られたが、果たしてミツバチがいない樹にメスはやってくるのだろうか?