馬場家の風景 柏の葉と馬場家
5月5日はこどもの日でした。当日は雨交じりの天気でしたが、開催中の企画展「松本押絵雛による端午の節句展」にはこの日に合わせ多くの方にご来館いただきました。誠にありがとうございました。
ところで、こどもの日に柏餅を食べたご家庭も多かったと思います。端午の節句に柏餅を食べる風習は、江戸時代に始まり、江戸の町を中心に広がったと考えられています。柏餅に使われる柏の葉は冬でも葉が枯れず、新しい芽を出すまで残ります。そのため、葉を家に見立て、家系が絶えない子孫繁栄のシンボルとして家の存続を重視する当時の社会で好まれたといいます。
実は、馬場家の家紋には、この柏の葉が用いられてます。柏の葉を用いた家紋は多く、様々な種類がありますが、馬場家住宅で見られる家紋は柏の一枚葉をあしらった造形です。古くは三つ柏だったものが一枚柏に変わったと伝わります。柏の葉を家紋に用いた由来はわかりませんが、柏のように長く子孫が繁栄するよう願ったのでしょう。
館内では、屋根の軒瓦をはじめ、様々な場所でこの家紋を見ることができます。ご来館の際には、どんなところに柏の葉があしらわれているかにも注目してみてください。