月遅れのひな祭りを祝いました
暖かな日が続き、山ふところの馬場家周辺も例年より一足早く春の花々が咲いています。
馬場家住宅では、4月4日まで開催された「押絵雛展-古民家で楽しむひな祭り」に合わせ、4月3日に甘酒のふるまいを行い、大勢の方々にご来館いただきました。当日は天候にも恵まれ、前庭に設けたベンチでは満開の桜と前田の菜の花が楽しめました。
甘酒のふるまいを行った4月3日は月遅れのひな祭りでした。
ひな祭りは一般的に3月3日ですが、松本周辺では月遅れの4月3日に行う家が見られます。
明治6年(1873)にそれまで使われていた暦(太陰太陽暦=旧暦)から現在使われている暦(太陽歴=新暦)へ切り替えられました。旧暦と新暦では、月の始まりや一か月の日数などに違いがあり、新暦の日付は旧暦の日付より20日~50日程度先に進みます。地域によって使いなれた旧暦が新暦導入後も長く残り、戦後まで旧暦に基づいた生活を行う家庭もあったようです。こうした中で、新暦を使いながら旧暦の季節感と近い日付で年中行事を行うよう一か月遅れの風習ができたと考えられます。松本周辺では、ひな祭りだけでなく、七夕やお盆なども月遅れで行われています。
今年の4月3日は桃の花も咲き、「桃の節句」にふさわしい風景が見られました。
当日ご来館いただいた皆様、まことにありがとうございました。