館内案内
主屋 (重要文化財)
嘉永4年(1851)の建築である主屋は、長野県中南部に分布する本棟造(ほんむねづくり)と呼ばれる様式の典型的なものです。規模は間口九間(18.8m)、奥行七間(16.4m)で、ゲンカン、ザシキ、イリカワなどの整った接客部を備えるなど家格にふさわしい意匠を持っています。
中門 (重要文化財)
この門は、藩主が馬場家を訪れるときにのみ開けられ、藩主は正面玄関からではなく、この門を通って縁側に腰掛けたものと伝えられています。
表門及び左右長屋 (重要文化財)
豪壮な構えをもつ表門及び左右長屋は、馬場家の特別な家格によって藩から特別に建設を許されたものと推定されています。過去には正面に向かって左側の長屋は巡査の執務室として、右側の長屋は大工一家の住居として使われていたこともあったと伝えられています。現在、左側の長屋は、一部を展示室として公開しています。
文庫蔵 (重要文化財)
文庫蔵は弘化2年(1845)建築の土蔵造りの蔵です。文書や家財を収納するために使用されていました。南北の白壁には屋号の古屋敷の号を見ることができます。
隠居屋・奥蔵 (重要文化財)、茶室(重要文化財附)(非公開)
隠居屋は当主隠居後の居宅です。奥蔵は隠居屋に接して建っており、穀物や塩、味噌などの貯蔵庫として用いられました。
また、重要文化財附に指定されている茶室は坪庭南東隅に配置され、茶亭の雰囲気を醸し出しています。
なお、隠居屋・奥蔵・茶室は私有地につき非公開となっております。
旧うまや(松本市重要文化財)
かつては「灰部屋」(肥料に用いる囲炉裏や竃の灰を貯蔵するための建物)と呼ばれていましたが、規模が大きいこと、また柱の配置などから当初は馬屋だったと推定されています。
旧ひきや部屋(管理事務所)
旧ひきや部屋は明治中頃の建築で、材木を挽いたり屋根板を作るような木工作業に使われていたと推定されています。冬季には屋根職人が住み込みで屋根板作り・屋根修理を行なっていたと伝えられています。
祝殿(いわいでん)
馬場家の屋敷神の祠で、古屋敷稲荷大明神が祀られています。この祝殿の背後には松本市特別天然記念物に指定されている推定樹齢800年以上の大ケヤキがあります。