☆化石新聞第10刊~シナノアロデスムスについて~☆

はじめに

こんにちは!化石館学芸員の小林です。最近は趣味のそば打ちとうどん作りに熱中しています。2月に入り一段と冷え込む毎日ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。コロナウイルスが依然としておさまらない毎日ですので、体調管理には気をつけて過ごしたいですね。さて、今回はシナノアロデスムスについてご紹介致します。

シナノアロデスムスって?

シナノアロデスムスってどんな動物かわかりますか?わかる方は化石館ツウです(笑)シナノアロデスムスは、簡単に言うと、水族館でよく見かけるトドやアザラシの仲間です。見た目はトドやアザラシに似ていますが、残念ながら約1000万年前に絶滅してしまいました。これらの動物は、鰭脚類(ききゃくるい)と言う仲間で、脚が鰭(ひれ)になっている動物です。現在生きているアザラシなども脚がひれになっているので、化石館や水族館でよーく観察してみて下さい。見た目はかわいらしいフォルムをしていますが、これらの動物は肉食で、イカやタコを好んで食べます。ちなみに私は草食系男子なので、トドやシナノアロデスムスがうらやましいです(笑)

当時のアロデスムスの再現図

当時のアロデスムスの再現図

 シナノアロデスムスの頭骨化石の発掘

大正9(1920)年、当時の東筑摩郡四賀村五常(旧五常村)の畑で、動物らしき頭の化石が発見されました。この化石は、長年の間、名無しの化石になっていましたが、昭和16(1941)年に北海道大学の研究者によって「シナノトド」と名付けられました。その後、京都大学の研究者による再検討を経て、現在ではシナノアロデスムスという名前で広く知られるようになりました。アロデスムスの化石は世界的にも珍しく、日本でも5点しか発掘されていません。その中でも、旧四賀村で発見されたものは状態がよく、歯がしっかりそろっているのを観察することができます。その貴重さが認められ、昭和60(1985)年に長野県の天然記念物に指定されました。今では、シガマッコウクジラに並ぶ化石館の目玉の展示のひとつになっております。

シナノアロデスムス頭骨

展示中のシナノアロデスムス頭骨化石(長野県天然記念物)

最後に

以上、今回はシナノアロデスムスのご紹介でした。以前の化石新聞で紹介しましたシガマッコウクジラ、穴沢のクジラ化石、そして今回ご紹介したシナノアロデスムスの頭骨化石と、四賀地域だけで3点も長野県天然記念物があります。これは本当に誇らしいことです。ぜひ一度化石館に訪れて化石の奥深さに触れるとともに、松本城や上高地に並ぶ松本市の魅力として、市外の友達に自慢して下さい。4月からは松本市が中核市に移行します。我々とともに、地元松本の魅力をどんどん発信していきましょう。皆様のご来館をお待ちしております。

シナノアロデスムス発掘地

シナノアロデスムス発掘地(1階ロビー四賀地図パネルより抜粋)