今月の短歌 ~窪田空穂の歌の魅力をご紹介します~

 〔10月の短歌〕

 

街角

 秋日ざし明るき町のこころよし  

      何れの路に曲りて行かむ

 (あきひざしあかるきまちのこころよし
         いずれのみちにまがりてゆかん)

              歌集『卓上の灯』所収

 

昭和25年、空穂73歳の作品です。
秋晴れの一日、町中をゆっくり散歩しているときの気分を詠っています。
さわやかな町の空気は心地よく、次はどこの路を行こうかなと、ちょっぴり心を弾ませているようにも感じられます。どこの角で曲がっても、きっとそこにも明るい秋の光があふれ、よいことが待っているかのようです。

高く澄み切った空に、心も晴れ晴れとする季節となりました。
たまのお休みの日に、お家の周りをゆっくり歩いて見たらいかがでしょうか。何気なく入った小路に、いままで気付かなかったような発見があるかも知れませんよ。
唯々、秋色の町を歩き、疲れたら立ち止まり一息つく。そんなひと時をどうぞ。

企画展「ふるさと松本をうたう」開催しています(9月12日~11月23日)

ふるさと松本をうたう

文学に憧れ、若くしてふるさとを離れた窪田空穂。生家(イラスト)
その作品には、ふるさとの情景や父母への思いを詠ったものが多いことで知られています。
空穂が詠んだ歌をとおして、空穂の ❛ふるさと❜ に触れてみたいと思います。
併せて、空穂の生地・和田(松本市和田)にゆかりのある歌人・俳人についてもご紹介します。


会 期: 令和2年9月12日(土)~11月23日(月・祝)
        ※月曜日休館(月曜日が休日の場合はその翌日)

開 館: 午前9時~午後5時まで(入館は午後4時30分まで)

会 場: 窪田空穂記念館 会議室

観覧料: 通常観覧料 大人310円 中学生以下無料

 

企画展記念講演会 『 風土と短歌-空穂を中心に- 』

講 師: 今井 恵子 氏 (歌人/歌誌「まひる野」編集委員)

日 時: 令和2年10月24日(土) 午後1時30分~午後3時

会 場: 窪田空穂生家(窪田空穂記念館向かい)

定 員: 30名

料 金: 無料

申込み: 電話で窪田空穂記念館へ 【10月6日(火)より受付開始】
     ☎ 0263-48-3440

「バス見学会」の中止のお知らせ

新型コロナウィルス感染拡大防止のため、今年度計画しておりました「バス見学会」を中止いたします。

中止イベント

◇ 窪田空穂記念館「バス見学会」 : 10月 7日(水)


 

今月の短歌 ~窪田空穂の歌の魅力をご紹介します~

鉦ならし(碑).jpg

 

 鉦鳴らし信濃の国を行き行かば

       ありしながらの母見るらむか

 ( かねならししなののくにをゆきゆかば
                                   ありしながらのははみるらんか )

                                               歌集『まひる野』所収

 
 空穂の第一詩歌集『まひる野』(明治38年刊)に収められている、空穂の代表作のひとつです。
 4人兄姉の末っ子であった空穂は母に可愛がられ、空穂も母を慕っていました。しかし、空穂が二十歳の時に亡くなってしまいます。亡き母を恋い慕い、同時に故郷を遠く思いやる歌です。のちに空穂は、この歌を詠んだ時の気持ちを次のように語っています。
「私がもし男の巡礼となり、歩くままにさやかに鳴る鈴を鳴らしつつ、往還路を、どこまでもあるきつづけたならば、あの信心ぶかい母である、必ず私にもまして感動して、生まれかわっての姿をふと私の前に現わして、この眼に見せてくれようか。(中略)哀感に捉われて心幼くなっている私は、真気(むき)になって思ったのである。」(『自歌自釈』)

 松本市の城山公園には、この歌碑があり、空穂を偲ぶことができます。昭和29年に松本空穂会の人たちの手によって建立されました。5月2日に行われた除幕式には空穂も招かれ、家族と一緒に出席しています。

 信濃なる諸友わが歌碑建てしとぞ五月空晴る行きては謝せむ    歌集『丘陵地』所収

各イベントの中止について

窪田空穂記念館にて開催を予定していました下記イベントは、
新型コロナウイルス感染拡大にともない、中止といたします。
楽しみにしていただいていた皆様には、大変ご迷惑をおかけいたしますが
ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

中止イベント

イベント名 日  程  備  考
松本の子どもの短歌・2019
入賞作品展
開催期間を延期していました 詳細はこちらをご覧ください
 第1回 短歌講座  6月 6日(土) 詳細はこちらをご覧ください
 第2回 短歌講座  7月 4日(土) 詳細はこちらをご覧ください
囲碁教室  6月開催分  
将棋教室 7月開催分  
将棋教室 8月開催分  
第3回 短歌講座  9月 6日(日)  詳細はこちらをご覧ください 
バス見学会 10月 7日(水) 詳細はこちらをご覧ください
第4回 短歌講座 10月11日(日) 詳細はこちらをご覧ください

 

令和2年度短歌講座中止のおしらせ(第3・4回)

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、以下の講座を中止いたします。

中止講座日程 

 第3回短歌講座(内藤  明  氏) :  9月   6日(日)

 第4回短歌講座(大下 一真  氏) :10月11日(日)

問い合わせ先

窪田空穂記念館
TEL:0263-48-3440
FAX:0263-48-4287

今月の短歌 ~窪田空穂の歌の魅力をご紹介~

歌人として活躍した窪田空穂は、生涯で1万4千首以上の短歌をのこしています。空穂の短歌は日常の一瞬を切り取ったものが多く、時代を超えて私たちの心に染みわたります。
窪田空穂記念館職員が選んだ今月の短歌をご紹介します。

 【窪田空穂記念館】つばめ

つばくらめ飛ぶかと見れば消え去りて
     空あをあをとはるかなるかな
(つばくらめとぶかとみればきえさりて
       そらあおあおとはるかなるかな)
               歌集『濁れる川』所収

 

 
掲出歌は、空穂35歳のときの作品で、多くの人に愛唱されてきた歌のひとつです。直線的に、伸びやかに空を横切る燕の姿に心を躍らせるのですが、ふと気が付くと燕は飛び去ってしまい、そこには青い空が果てしなく続いているとうたっています。
さっきまでの燕の素早い動きを心に残しながらも、残された「はるかなる」青空の静けさに、広く心が開かれる思いがする一首です。

【窪田空穂記念館】つばめある日、窪田空穂記念館の前の電線に、たくさんの燕がとまっていました。巣立ちをした雛たちが、秋になって暖かい土地に旅立つために練習をしているようでした。電線から離れてもすぐ戻ってしまう燕、頑張って何回も旋回する燕、一羽一羽の成長に違いがあるようで、少し心配になりました。先日、飛べなくなって道路で羽をバタつかせていた燕を見つけ病院に連れて行ったことを思い出し、頑張れとつぶやきました。
写真を撮った日は青空が広がっており、これからこの子たちが大空を自由に飛び回れるようになることを、心から願いました。

まつもとの七夕2020「星に願いを」開催中!

窪田空穂記念館と生家では、松本まるごと博物館連携事業「まつもとの七夕2020」の一環として
明治期の面影を伝える空穂生家の縁側で七夕人形や笹を飾っています。
生家のお庭と七夕人形を眺めながら、空穂の短歌を味わってみませんか?

記念館では小学生が願い事を書いた短冊を飾り、七夕を盛り上げてくれています。
簡単に作ることが出来る七夕人形作りも随時開催中!
ぜひお越しください☆彡

1 会 期

  令和2年7月4日(土)~ 8月10日(月・祝)
  月曜日休館(祝日の場合は翌日休館)

2 料 金

  通常入館料:大人310円、団体(20名以上)200円、中学生以下・70歳以上の松本市民は無料

3 内 容

  ①七夕縁側を再現〔生家〕
   生家では七夕人形の展示や笹飾りを行い、七夕の縁側を再現しています。
   短冊もご用意しています。ぜひ願い事を書いて笹に飾りつけてくださいね!

  ②星に願いを~芝沢小学校1年生の願い事~ 〔記念館2階〕
   記念館2階の笹に芝沢小学校1年生が願い事を書いて飾ってくれています。
   素敵な願い事がたくさんあって笹もにぎやか♪

  ③簡単に作れる七夕人形作り 〔記念館1階〕
   簡単な七夕人形を作れるスペースをご用意しています。
   期間中毎日開催しており、申し込みは不要、無料です。
   大人も子どもも参加できます!
   自分で作った七夕人形をご自宅に飾ってもよし、生家の笹に飾ってもよし!

4 関連事業

  ☆七夕人形流し☆

  期間中に来館された方の”災い”を移した七夕人形を連携館でお預かりし、
  8月8日、歴史の里で水に流します。
  連携館:松本市立博物館・松本市はかり資料館・重要文化財馬場家住宅・
      松本市安曇資料館・松本市歴史の里・窪田空穂記念館

  日 時:8月8日(土)午前8時から30分程度
  場 所:松本市歴史の里
  料 金:無料(歴史の里館内を見学される場合は、別途入館料が必要です。)

 

庭から眺めるのも素敵

庭から眺めるのも素敵

七夕人形を眺めながら願い事を書いてみませんか?

七夕人形を眺めながら願い事を書いてみませんか?

夏休み将棋教室 開催中止のお知らせ

毎年8月に窪田空穂生家にて実施しています「夏休み将棋教室」は、
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今年度は中止といたします。
楽しみにしていた皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、
ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

今月の短歌 ~窪田空穂の歌の魅力をご紹介~

歌人として活躍した窪田空穂は、生涯で1万4千首以上の短歌をのこしています。空穂の短歌は日常の一瞬を切り取ったものが多く、時代を超えて私たちの心に染みわたります。
窪田空穂記念館職員が選んだ今月の短歌をご紹介します。

【窪田空穂記念館】スタンドの 

スタンドの灯かげの狭くわれ囲み
       夏の夜のやみ深さ知られず
(スタンドのひかげのせまくわれかこみ
          なつのよのやみふかさしられず)
               歌集『卓上の灯』所収

 

 

歌集『卓上の灯』(1955年刊)に、「暑熱甚し」と題して収められた九首の一つです。
卓上のスタンドが狭い範囲を明るく照らしており、その周りには、限りもない深い闇が広がっていると詠んでいます。
他の季節と比べても一段と暗く感じられる夏の夜の闇。その中、電灯が照らすわずかな空間に自分はひとり座っている。限りなく広い天地の間に生きている微小な存在の自分に思いが及んでいたのでしょう。

ところで、この写真の机は空穂が実際に使っていたものです。愛用の筆記用具、ルーペ、時計、Peace缶(たばこ)などが置かれています。面白いのは、トランプがあることです。空穂はトランプ占いが好きでよくやっていたといいます。

 【窪田空穂記念館】スタンドの(色紙)

窪田空穂記念館では、この短歌の直筆色紙を7月末まで展示しています。
直筆だからこそ感じ取れる空穂の想いを、ぜひご覧ください。