施設案内

沿革

窪田 空穂(くぼた うつぼ)
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窪田空穂

明治10年(1877)6月8日に和田村(現:松本市和田)に生まれました。本名は窪田 通治(くぼた つうじ)。
空穂は、歌人の太田水穂に刺激を受け短歌を作り始めました。空穂の短歌は、ありのままの日常生活の周辺を歌いながら、自分の心の動きを巧みにとらえ、人生の喜びとともに内面の苦しみと悩みをにじませています。「境涯詠」ともいわれるゆえんです。
早稲田大学の教授になってからは、歌人・国文学者として、精力的に古典研究を行い、万葉集や古今和歌集、新古今和歌集の三大評釈は、特に今日高い評価を得ています。また後輩の指導にもあたり、多くの歌人を輩出しました。
昭和18年(1943)に、芸術院会員、昭和33年(1958)には文化功労者に選ばれました。そして昭和42年(1967)4月12日に東京で数え年91歳の生涯を終えました。

長男は、同じく歌人の窪田 章一郎(1908-2001)。

記念館のこと

 平成5年6月5日、空穂の業績を称えるために生地に開館しました。空穂の作品や日本古典文学・短歌に関する資料を展示・紹介しています。

記念館の建物

 記念館の建物は建築関係の賞を受賞し、建築関係者の注目を集めています。

空穂生家

 空穂の生家(本棟造り)は記念館と道路を挟んだ向かいにあり、明治8年の往時の姿のまま保存されています。また、講演や講座などの会場としても利用しています。

常設展案内

 窪田空穂記念館の展示は、空穂の足跡を辿るかたちで展開しています。作品、書簡、原稿、愛用品などで展示を構成しています。

(1)新体詩から短歌へ

新体詩に興味をもっていた文学少年・空穂が短歌を作りはじめたのは、20代になってからです。やがて与謝野鉄幹(寛)に認められ『明星』に参加します。処女詩歌集『まひる野』は精麗で浪漫的な傾向の強いものです。

(2)自然主義文学との出会い

東京専門学校(現・早稲田大学)卒業後、新聞記者や女学校の講師となります。田山花袋等と交わり、自然主義的な潮流のなかで盛んに短編小説を書きました(短編小説『炉辺』など)。また、『日本アルプスへ』などの紀行文も残しました。

(3)古典研究

40代、母校早稲田大学の教壇に立った空穂は、このころから古典研究を精力的に行います。『万葉集』、『古今和歌集』、『新古今和歌集』の三大評釈は、特に高い評価を得ています。

(4)空穂の短歌

日常生活の周辺を歌いながら、人生の喜びと内面の苦しみ・悩み等の自分の心の動きに合わせ詠い、「境涯詠」ともいわれています。晩年になると、天地自然とともにある命が、静かに、しかし強い意志をもってとらえられています。

(5)空穂の長歌

万葉集以来歌われることの少なくなった長歌を新しく現代に再生しました。特に亡き妻や子を詠った長歌は、その代表作といわれています。

(6)空穂をめぐる人々

与謝野鉄幹を始めとして空穂と交流のあった人物を紹介しています。

 

ミュージアムショップ

ミュージアムショップでは、窪田空穂関係の書籍やオリジナルグッズを販売しています。また、松本養護学校高等部の生徒作品も販売しています。価格や種類についてお気軽にお尋ね下さい。

書籍
窪田空穂-人と文学- 1,100円(税込)
歌集 土を眺めて 733円(税込)
歌集 冬木原 733円(税込)
窪田空穂歌集 1,045円(税込)
窪田空穂随筆集 935円(税込)
日本アルプス縦走記 1,494円(税込)
日本の名歌100選 1,540円(税込)
企画展・特別展図録、記録集
空穂と妻藤野-その愛と悲しみ- 平成18年度 300円(税込)
青春のうた-あの時わたしは若かった- 平成19年度 500円(税込)
子どもの情景―日本の伝統文化をとおしてみる子どもの世界― 平成20年度 500円(税込)
歌人への道―窪田空穂の青春― 平成22年度 500円(税込)
いのちのうた―晩年の窪田空穂と獄窓の歌人・島秋人―(仮題) 平成24年度  500円(税込)  
オリジナルグッズ 
絵はがき 各100円(税込)
しおり 各100円(税込)
クリアファイル 150円(税込)
手ぬぐい 500円(税込)
一筆箋 200円(税込)
便箋 500円(税込)
空穂自筆色紙(複製) 1,000円(税込)
空穂自筆短冊(複製) 1,000円(税込)
松本養護学校高等部生徒作品

松本養護学校高等部のみなさんが作業学習で制作した作品も販売しています。
ひとつひとつ手づくりの素朴な作品です。