施設案内

沿革

歴史の里のあゆみ

旧裁判所建物の保存を訴える市民のデモ行進(昭和53年) 『旧長野地方裁判所松本支部庁舎(日本司法博物館本館)移築復元工事報告書』から

旧裁判所建物の保存を訴える市民のデモ行進(昭和53年)
『旧長野地方裁判所松本支部庁舎(日本司法博物館本館)移築復元工事報告書』から

当館の中心的な建造物である重要文化財旧松本区裁判所庁舎は、建築時は松本城二の丸御殿跡にありました。昭和52年、庁舎新築に伴って建物の 取り壊しが決まりましたが、それを惜しむ市民運動により、昭和57年に当地へ移築復元され、日本司法博物館が開館しました。移築復元費用の40%は市民の みなさんからの寄附でまかなわれています。

平成14年に松本市が土地を取得し運営が移管され、名称が「松本市歴史の里」に改まりました。また、平成18年には各建造物の大がかりな修復がなさ れ、現在は松本市立博物館の分館として、歴史的建造物の魅力と明治から昭和にかけての歴史を紹介しています。

当館の展示について

当館の展示は、建造物自体が伝えるそれぞれの歴史的空間の再現(情景再現)に主眼を置いた展示を目指しています。そのため、各建物では当時使用されていた調度品や機械などをご覧いただけます。

 

館内案内

 

北アルプスを背景に立ち並ぶ懐かしい建物が、信州松本の近代の歩みと文化を伝えてくれます。
松本市歴史の里は、信州の近代をテーマに貴重な建物を集めた、たてもの野外博物館です。
6,400平方メートルの敷地内に、江戸時代後期から昭和にかけて建てられた5棟の歴史的建造物が立ち並んでいます。

 

常設展案内

重要文化財 旧松本区裁判所庁舎

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正面全景

明治41年(1908)、松本城二の丸御殿跡に建てられました。明治後期の区裁判所庁舎の典型的な特徴をよく示しています。全国で数多く建てられた和風の裁判所建築のうち、最も完成度が高く、歴史的価値が高いとして、平成29年11月に国の重要文化財に指定されました。

(旧所在地/松本市丸の内 昭和57年移築復元)
◆ガイダンス映像(映像ガイダンスルーム):約5分間
◆音声ガイド(支部訟廷)『明治憲法下法廷の裁判進行』:約3分間
 

明治憲法下の裁判を体験

明治憲法下の裁判を体験

旧松本少年刑務所独居舎房

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全景

昭和28年に建てられ、平成2年まで使用された独居房棟の一部です。創建当初の板張りの部屋と、昭和50年代に改善された畳敷きの部屋を復元しています。

(旧所在地/松本市桐 平成6年移築復元)

 

 

中廊下

中廊下

登録有形文化財 旧昭和興業製糸場

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全景

 昭和のはじめから平成7年まで操業していたカイコの繭から生糸をとりだす製糸工場です。当時の機械をそのまま移築しており、往時の雰囲気を体感できます。令和元年9月に国の登録有形文化財に指定されました。(旧所在地/下諏訪町 平成8年移築復元)

工女宿宝来屋(松本市重要文化財)

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全景

江戸時代後期、松本と飛騨高山を結ぶ野麦街道沿いの集落、旧奈川村川浦に、旅人宿として建てられました。明治から大正にかけては、飛騨地方から諏訪・岡谷の製糸工場へ向かう工女たちが大勢宿泊しました。山里の民家としての暮らしもうかがえます。

(旧所在地/松本市奈川 川浦 昭和58年移築復元)
◆音声コーナー『ある糸ひき工女の思い出』約5分間
◆映像「製糸場最後の日 —旧昭和興業製糸場—」:約9分間

宝来屋内部

宝来屋内部

木下尚江生家

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全景

江戸時代後期に建てられた下級武士の住宅です。社会運動家木下尚江は、明治2年この家に生まれ、新聞記者・弁護士・小説家として活動しながら、普通選挙の実現など、社会改革をめざして活躍しました。
(旧所在地/松本市北深志 昭和58年移築復元)

木下尚江(明治45年撮影)

木下尚江(明治45年撮影)

川島芳子記念室(展示・休憩棟内)

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軍服姿の川島芳子

清朝王家の皇女として生まれ、のちに松本川島浪速の養女となり、「東洋のマタハリ」「男装の麗人」として知られた、川島芳子の関係資料を展示しています。

シベリア抑留展示コーナー(展示・休憩棟内)

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「埋葬」吉田勇画

第二次世界大戦において日本が無条件降伏をした際、満州(現在の中国東北部)ほかで発生した、日本人将兵シベリア抑留の悲劇を伝える資料を展示しています。

山本茂実展示コーナー(展示・休憩棟内)

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山本茂実

松本市出身の記録文学作家で、『あゝ野麦峠』の著者、山本茂実の資料を展示しています。

 

ショップ

 

ミュージアムショップ ミュージアムショップでは、歴史の里オリジナル商品や松本の伝統的な技術で作成した小物などを販売しています。

調査報告書「市民が守った文化財~旧長野地方裁判所松本支部庁舎のあゆみ~」

市民の運動で守られた重要文化財旧松本区裁判所庁舎(旧長野地方裁判所松本支部庁舎)について、建築的な価値と魅力のほか、裁判所の歴史や全国の裁判所建築をまとめた一冊です。

調査報告書「市民が守った文化財」

調査報告書「市民が守った文化財」

 

草木染めスカーフ

ストール

 当館で活動する「歴史の里染めの会」が製作した草木染めのストールです。
 春は桜、夏は藍、秋はコスモスといった季節に沿った植物を使って染めているため、季節によって異なる色のスカーフをお楽しみいただけます。
(※写真の商品は、コスモスで染めたスカーフです。)

 

 

 

 

 

ストール各種

みすず細工

みすず細工 当館で活動している「歴史の里みすず細工の会」が製作したみすず細工の製品(ざる、コースターなど)を扱っています。
【みすず細工とは】
 スズタケを使って作られる竹細工です。かつては海外に輸出されるなど松本を代表する産業でした。

  

松本市歴史の里関連書籍

 松本市歴史の里 建物ガイドブックをはじめ、裁判所、川島芳子、シベリア抑留関連など、建物や収蔵資料に関連した書籍を扱っています。