四賀地区ミステリーツアー

10月22日に
「大人のための化石教室連続講座№2 四賀地区ミステリーツアー」
が開催されました。松本市四賀地区は、その特異な地層と歴史が織りなす大変不思議な場所です。
その不思議を紹介していこうというのがこのミステリーツアーで、案内人は四賀化石館館長:市川恵一氏です。四賀に生まれ育った館長は四賀地区の地層と歴史を知りつくしています。
バスの中での解説が興味深い話ばかりでとても充実した時間になりました。

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参加者は大人20名、先月に引き続き神奈川県から参加のご夫婦もいらっしゃいました。
まずは車窓から「豆岩」を見学し、礫岩と砂岩の地層を確認してから、「藤池百体観音」に向かいます。

01ミステリーツアー

藤池には西国三十三番、坂東三十三番、秩父三十四番の百体全部が現存しています。
遠くまで巡礼に行けなかった人々が観音様の御利益を願ってここに参拝に訪れたそうです。

今回は特別に、お堂をあけていただき、ご本尊を拝ませていただきました。
そのご本尊の後ろの壁が宝珠型にくりぬかれ、百体観音から続く大岩が見えるようになっています。
中央部は削られ豆岩と同じ地層の礫岩を見せています。
そこからぼうっと光が差し込み、仏様の光背の役割を果たしているのです。
大岩そのものが信仰の対象でもあったことから、このような工夫がなされたのでしょうか。
ほの白く光る礫岩の粒から大宇宙へと引き込まれるような不思議な気持ちになりました。

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次に向かったのは、「会吉の岩殿山観音堂」です。
実は、今回のツアーのメインは四賀地区のシンボル、「虚空蔵山」に登ることだったのですが、9月の長雨の影響で、林道虚空蔵線の路肩が崩れたため、急遽、「岩殿山観音堂」へコースを変更することになりました。

 143号線を上田方面に向かい、車窓から、県の天然記念物の横川の大イチョウを眺め、会吉トンネルへと登ります。バスを降りて、松林の中を10分ほど歩きました。
(キノコには絶対に触らないという条件で特別に地主さんの許可をいただいています)

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そして、到着するとまず館長のひと声ならぬ、ひと吹き、ホラ貝の音が響きます。

ほら貝

ミステリーツアーならでは、市川館長ならではの趣向です。
ほら貝の音によって、岩にこもっていた霊気が解き放たれ、
茂みの奥から、いまにも修験者が現れてきそうです。
 そして、実際に目にした岩殿は想像以上にすごかった。

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まさに神様が鎮座するための大岩です。

 参加者の皆様からも感嘆の声が聞こえてきました。
岩殿に屋根はなく、天を仰ぐと、地層が作り出した見事な文様が目に入ってきます。
「やはり、ここにも宇宙があるわけです。」という館長の説明にみなさん大きくうなずいていました。
片隅に立っていらっしゃるお地蔵様もかすかにうなずかれていたようです。

会吉お地蔵様

まだまだ、ミステリーは終わりません。

車窓から「横川の乞食岩」「川久保の薬師空殿」などを眺め、
「無量寺」の芭蕉句碑を右手にバスは岩井堂へ向かいます。
バスを降りて少し上ると、松本市の重要文化財の「観音山周辺石造物群」に着きました。

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07ミステリーツアー

館長の説明を聞いてから、千手観音を拝みました。
鄙には稀なという言葉がありますが、そのとおりに、大変美しい千手観音様です。
観音堂の裏手にはお堂を守るように大岩が続き、右手には高さ2mの磨崖仏が彫られています。
少し奥まで歩くと、笹の葉に隠れるように鎮座する、福々しい大黒天を拝むことができます。

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さて、今回のミステリーツアーのトリを務めるのは「岩井堂の砂岩層」です。

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この風景を見ると、突然、自分達が海の底に沈みこんでしまったかのような錯覚を覚え、
あまりに見事な造形美に言葉を失ってしまいます。
「山国信州は海だった」と言われてもぴんときませんが、
ここに立って、この風景を見れば、誰でも体感するはずです。

 上のほうに、石炭の採掘鉱跡もが見えますが、石炭は植物の化石だということをご存じでしょうか。
化石燃料という言葉があるように、化石は実は身近な生活の中にあるのです。

  メインの虚空蔵山に行けなったにもかかわらず、今回のツアーは大成功でした。
虚空蔵山にはいろいろな伝説もありますし、なんといっても岩屋社が素晴らしいので、
ぜひ次の機会にはと思っています。
虚空蔵山について話したい事が館長の頭の中にはずでにぎっしり詰まっているようです。

 ちなみに、四賀化石館ではこの企画のテキストになる地層マップを作りました。

表

興味のある方は、四賀化石館の窓口で「四賀地区地層マップ」が欲しいとお伝えください。
この地図を持ってぜひ四賀の不思議を追いかけてみてください。

 「大人のための化石教室」は毎年秋に開催予定です。