第164回サロンあがたの森 3月10日(土)午後1時30分~

松高寮歌 よもやま話

 ― 寮歌考察の新視点若干

話題提供 上條 彰次さん  
                 [松高寮歌「遠征」作詞者、元神戸松蔭女子学院大学教授]

日   時      3月10日(土) 午後1時30分 ~3時30分 (予定)
会   場      あがたの森文化会館   本館1 ― 5 
参加費        200円

 学生たちが肩を組みながら大声で歌う旧制高校の「寮歌」。同じ寮で過ごした若き頃の心情を映し、時代を映したそれらは、歳を重ねても色褪せない。今日も、学生らの間で歌い継がれ、親しまれている歌は多い。

 寮歌は明治から昭和の終戦の頃にかけて、各地でつくられた。1919(大正8)年に開校した松本高校も、思誠寮で幾多の寮歌が生まれた。

 上條さんが「遠征」を作詞したのは1944(昭和19)年。戦争末期で、「遠からず死と直面せざるを得ない」時代だった。そんな中でも、寮歌が作られたのは「寮生活で同じ部屋にいた先輩が寮歌を作っており、関心が高く、自分も作ってみようという基盤になった」と言う。

 また、寮歌を考える上で興味深い視点の一つが「本歌取り」。有名な古歌の表現を自作の歌に取り用いて詠む技法だ。「遠征」の1年前に當間稔氏が作詞した「若き力に」。この中で詠われた「行きゆきて倒れ伏すとも」は、芭蕉の「おくのほそ道」に書かれている曾良の「行〱てたふれ伏すとも萩の原」が元になっている可能性がある、と上條さんは見る。

 松高寮歌で最も名高く、松本市民にも親しまれてきた「春寂寥」の詞については、中国の古典の「何か」を踏まえたものではないか、との論議が、全国の旧制高校関係者の間で今も続いているという。

 今年は松高が開校して百年目という節目の年。上條さんは「『寮歌』について探るべき課題を、幾つか取り上げ考えてみたい」と話す。

  上條さんは1926(大正15)年、姫路市生まれ。旧制松本高校、京都大学文学部卒。岡谷南高、諏訪清陵高教諭などを経て静岡女子大教授、神戸松蔭女子学院大教授を歴任した。著書に『中世和歌文学論叢』『詞林夢幻―戦中戦後―』など。松本市在住。

 ☆テーマに沿って話題提供者の話のあと、気楽に懇談。自由にご参加ください。

主 催 サロンあがたの森実行委員会 共催 旧制高等学校記念館・記念館友の会
問合せ 旧制高等学校記念館 (℡35-6226 Fax33-9986)