常設展展示紹介⑦ 「弥生時代の松本平2」

弥生時代の遺跡(針塚遺跡・百瀬遺跡)

 針塚遺跡と百瀬遺跡は松本市内にある弥生時代の代表的な遺跡です。
 針塚遺跡は松本市内では数少ない、弥生時代が始まった頃の遺跡です。弥生時代の墓(再葬墓)が5か所から発見されました。骨壺として使われた土器には遠賀川式土器や東海地方の影響を受けた土器が含まれていました。このことから、松本平の弥生文化は東海地方経由でもたらされたことがわかります。
 百瀬遺跡は松本市内の弥生時代中期を代表する集落遺跡の一つです。松本平で初めて弥生時代の家の跡が発見されたのがこの遺跡です。家の中からは中期の甕、壺、高坏などが出土しました。百瀬遺跡から出土した土器は「百瀬式土器」と名付けられ、長野県の弥生土器研究の基準の一つとなっています。

稲作がもたらした階層社会

 稲作はムラや人々の間に貧富の差を生じさせ、ムラには権力をもつ指導者が現れて社会は階層化し、土地や水をめぐるムラ同士の争いも起こるようになりました。石剣・石戈(せっか)は武器である銅剣・銅戈をまねた祭器で、出土点数はわずかです。これらの道具は支配者の権力を示すものであったのでしょう。戦いの道具といわれる磨製石鏃(ませいせきぞく)が市内の遺跡からも出土しています。

磨製石鏃(竹渕遺跡出土)

磨製石鏃(竹渕遺跡出土)

石剣(宮渕本村遺跡)と石戈(平畑遺跡)

石剣(宮渕本村遺跡)と石戈(平畑遺跡)

 

コラムクイズ

弥生時代には大陸から新しい文化がいくつももたらされましたが、弥生時代以前に日本列島に住む人々が行っていたことは次の内どれでしょう?

3つの中から選択してください